誰もがオープンソースのスタートアップに投資したいと思っている

次の記事

ナノ加工された「十四面体」がケブラーを凌ぐ防弾性能を発揮

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

みなさん良い週末は過ごせただろうか。先週があまり慌ただし過ぎず、週末にしっかりと充電できていることを願っている。といいつつ、お話したいことはてんこ盛りだ。

私のメール受信箱やSMSフォルダー、Twitter(ツイッター)のDMにどんどん積み上がっているのが、オープンソースをバックボーンにしたスタートアップの調達ラウンドの知らせだ。基本的にスタートアップ企業はオープンソースプロジェクトにルーツを持ち、多くの場合そのオープンテックの創始者がその企業内にいる。

スタートアップの世界での、最新の良い例がConfluent(コンフルーエント)だ。同社は先週公開されたが、その結果はすばらしいもので、IPOレンジを上回る価格が付けられて、その後さらに上昇した。Confluentは、オープンソース技術であるKafka(カフカ)をベースにしている。おそらくKafkaを耳にしたことのある人は多いだろう。

The Exchangeは同社のIPO当日に、Confluentの初期からの支援者であるIndex VenturesのMike Volpi(マイク・ボルピ)氏に、インタビューを行った。そのインタビューを通して、ボルピ氏がいうところの、この数年で劇的に変化したオープンソース(OSS)スタートアップの世界を垣間見ることができた。彼の話によれば、2015年頃のベンチャー投資家たちは、オープンソースのスタートアップにあまり興味を示しておらず、すでに1社(Red Hat、レッドハット)があるし、それでほぼ十分だろうと話していたという。

関連記事:リアルタイムデータストリーミングApache Kafkaの商用サービスConfluentが$24MのシリーズBを完了

私の計算が正しければ、Index VenturesはConfluentの今回のIPO価格から株価にして10億ドル(約1108億円)を超える価値を得たことになる。つまりOSSを嫌っていた者たちは間違っていたということだ。

とはいえ、ボルピ氏は、オープンソースに特化したスタートアップに対して相変わらず強気であるものの、より多くの投資家がこのモデルを支持するようになったことで、市場は徐々に選別が必要になってきていると付け加えた。投資家たちがより多くの資金を投入していることは、スタートアップの資金調達に関する報道を読んでいれば、驚くようなことではない。その例の1つが、2020年12月に書いたBuildBuddy(ビルドバディ)だ。また同僚のRon Miller(ロン・ミラー)記者は最近、Tecton(テクトン)とAirbyte(エアバイト)を取り上げている。

関連記事
機械学習のフィーチャーストアTectonがオープンソースの同サービスFeastを併合
必要な場所にデータを移動させるオープンソースのデータコネクタープラットフォームAirbyteが28.3億円調達

ベンチャーキャピタルがOSSに関心を持つ傾向は以前から見られていた。実際2017年には、VCたちがTechCrunchのために、オープンソーススタートアップの隆盛についての記事を書いている。しかし、ConfluentのIPOや、この領域のスタートアップ企業の最近の相次ぐ資金調達は、このような企業に対する市場の需要が、新たな高みに達したことを示しているように思える(もしOSSに特化したスタートアップを立ち上げていて、最近資金調達をしたのであれば、ひと声かけていただければ幸いだ)。

ConfluentのIPOについてさらに詳しく

また、同社のIPO当日にはConfluentのCEOであるJay Kreps(ジェイ・クレプス)氏にも話を聞いた。そこから残されたメモのいくつかは、取り上げる価値がある。ここでは、そのキーポイントをご紹介しよう。

  • 投資は決して「普通」には戻らない:ベンチャーキャピタルがZoom(ズーム)で取引を始められたことは、それだけで大変な驚きだった。つまり、平均的なVCはテクノロジーに精通しているのだろうと思うだろう。クレプス氏によれば、IPOロードショーはデジタルチャネルでうまく機能し、ジェット機で全国を飛び回って対面式のミーティングを行うよりも、より多くの人々と迅速に話をすることができたという。もしさらに保守的な公開市場の投資家たちがZoomを良しとすれば、デジタルピッチングはそれで決まりだ。
  • 公開市場はまだ熱い: Confluentは急成長しているソフトウェア企業だが、まだ利益を出していない。このIPOの高評価は、現在の市場では損をしてもまだまったく問題ないことを示している。クレプス氏によれば、もし巨大な市場(彼はConfluentの市場を500億ドル(約5兆5000億円)規模とみなしている)があり、非効率な事業とコスト構造に完全に苦しめられていないCEOの証として、資本がきちんと投資されていることを示すことができれば、損失は問題ないという。これは、現在第3四半期のIPOを希望している、当期純利益よりも成長率が高い企業にとって重要なことだ。ほとんどの企業に当てはまる。
  • 一般投資家もオープンソースを好んでいる:The Exchangeはクレプス氏に対して、公開市場にアプローチするオープンソース企業であることについても質問をした。それはプラス要因だったのかマイナス要因だったのか?CEOはプラスだったという。テクノロジーにはオープンスタンダードに基づいて構築されてきた歴史があり、OSSはそうした歴史的な流れにうまく合致している、とCEOは付け加えた。また、オープンソース・プロジェクトには有機的な強い勢いがあるため、一般投資家が企業レベルでの将来の成長を見極めるのに役立つと付け加えた。すばらしい。

OK、さらにオープンソースのニュースはいかがだろう?

実はさらにオープンソースソフトウェアのニュースがあるので、聞いていただきたい。2021年6月初めに、Prefect(プレフェクト)は3200万ドル(約35億5000万円)のシリーズBを行った。このラウンドはそのときには記事にしなかったが、先週同社に簡単に話を聞くことができた。

同社は、オープンソースプロジェクトであるPrefectCore(プレフェクトコア)を中心に活動している。PrefectCoreは、スケジューリング、モニタリング、ロギングなどに注目し、企業のデータ流入が正しく設定されているかどうかの確認をサポートしている。同社は、このような作業をネガティブエンジニアリングと呼んでおり、ある種の盲点になっている。スタートアップによれば、この種の作業は誰も本気で取り組みたいとは思っていない種類のものなのだという。

注目すべきなのは、Prefectは、オープンソースプロジェクトのホスティングバージョンを提供するのではなく、モニタリングサービスを販売している点だ。私はOSSプロジェクトそのもののホスティングは、そうしたプロジェクトを収益化するためにはやや古臭い方法であると考えている。そのため、ホスティングやフィーチャーゲーティングを販売するのではなく、PrefectCoreが管理しているものを追跡するAPIそのものが同社の製品となっている。オールグリーンなら問題がない状態だということで、そうでなければ、何か問題があるという意味だ。

今回取り上げた重要なポイントは、Confluentが、OSSスタートアップが巨大なスケールに達し、大きなIPOになることができる可能性を示したことだ。そしてPrefectが示したのは、オープンソース・ソフトウェアでお金を稼ぐための方法が、さらにあるかもしれないということである。

ということで、2021年はより多くのOSS VC案件が期待される。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:The TechCrunch Exchangeオープンソース

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)