フェイスブックに対する米連邦取引委員会の独禁法訴訟は棄却、しかし完全には敗訴せず

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FTC(連邦取引委員会)といくつかの州がFacebookを提訴した反トラスト法違反の訴訟は、米国時間6月29日、連邦判事により、同社がソーシャルメディアを独占的に支配していることを示す十分な証拠を原告が提示していないとの判決が下された。しかし、裁判所は、InstagramとWhatsAppの買収を再検討することには前向きで、本件は規制当局が再度検討する余地を残している。

この判決は、訴訟を棄却せよというFacebookの動議に対する答えだ。ワシントンD.C.巡回裁判所のJames Boesberg(ジェームズ・ボーズバーグ)判事の説明では、独占および反トラスト違反の証拠として提出されたものは、「前進するにはあまりにも推測的で結論的である」という。もっと普通の業界のものであれば、これで十分かもしれないが「本件は、普通のあるいは直感的な市場ではない」と彼は認めている。

原告は、Facebookが市場の60%を支配しているという主張を、明確かつ膨大なデータと、その市場が具体的にどのように構成されているのかを説得力のある形で裏づける必要があったが、それができなかったとボーズバーグ氏は記している。そのためボーズバーグ氏はFacebookの法的な主張に従って訴えを却下した。

Facebookは声明の中で「本日の決定が、政府の申し立ての欠陥を認めたことを喜ばしく思う」と述べた。

一方、ボーズバーグ氏は、記録に証拠がないからといって、その証拠が存在しないということにはならないと考えている。そこで彼は、FTCと各州に30日間の修正期間を与え、その後に苦情の再評価を行うことにした。

判事はまた、問題は証拠だけであり、Facebookの訴訟棄却の論理には、論争を招いている肝心のInstagramとWhatsAppの買収に対する申し立てそのものを棄却する論理はないと考えている。

Facebookの主張では、これらの買収が問題含みであったとしても、FTCにはこのような「長きにわたる行為」を訴追する権限はなく、規制の対象は直近の問題に限られるとしている。それに対してボーズバーグ判事は、そのような買収が存在するかぎりにおいては法的に現在と認められ得るという判例を見つけて反論している。そのため政府は、疑義さえあればいつでもそれらを再訪できる。ただしこれはFTCが絡む国の訴訟についてだが、州の訴訟は事後があまりに長いときには彼が今回そうしたように棄却される。

これは、独占禁止法全般および過去の買収に関して強硬な規制姿勢をとってきたFTCの新委員長Lina Khan(リナ・カーン)氏の計画である可能性が非常に高い。承認公聴会で彼女は、合併の承認は完全な情報なしになされたかもしれないとコメントし、そのため、理解し周囲のルールを構築するための「機会を逸した」ことを表した。

FTCの関係者は「公取委が意見を綿密に検討しており、最善の案を検討している」と述べている。

米国時間7月1日に開催される政府機関の会議では、さらに詳しい情報が得られるだろう。裁判官は、文字どおり、より多くの情報を元に訴状を書き直すよう求めているため、30日間の猶予は、カーン氏にとって彼女のアイデアを実践する絶好の機会となるかもしれない。彼女とFTCが説得力のある訴えをまとめるのに十分な材料を持っているかどうかはまだわからないが、1つ確かなことがある。Facebookは、少なくとも今のところは、シャンパンを冷蔵庫に戻すべきだ。カーン氏は平手打ちを食らうことはないだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookFTC訴訟 / 裁判

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)