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グローサリー配達のInstacartが新CEOにフェイスブック幹部のシモ氏を指名

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グローサリー配達のInstacart(インスタカート)は、わずか7カ月前に同社の取締役会に加わったFacebook(フェイスブック)の幹部Fidji Simo(フィジー・シモ)氏を新CEOに指名した。元副社長でFacebookアプリ責任者のシモ氏は8月2日にInstacartの創業者で現CEOのApoorva Mehta(アプアバ・メフタ)氏の後を継ぐ。Instacartの声明によると、メフタ氏は取締役会会長に就く。

Instacartはシモ氏に代わり、さらなるコメントの求めを却下した。

10億ドル産業の最前線にいる有色人種女性のCEOは、残念ながらまだ稀だ。シモ氏はプロダクトマネジメントに携わっている女性をサポートし、テック業界における女性のキャリアを啓発する非営利組織Women in Productの共同創業者だ。今回の同氏のCEOは就任は、Facebookが同社における数少ない女性のリーダーの1人を失い、Instacartが2021年に従業員数を50%増やすことを計画する中で新たなエネルギーを得ていることを意味する。

予定しているIPOを直前にしてメフタ氏が現役職から退くことは、その稀有さゆえに注目に値する。同氏は10年前にInstacartを創業し、Y Combinatorの2012年夏のプログラムの参加から、直近の評価額が390億ドル(約4兆2850億円)という企業に育てあげた。

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パンデミックによりInstacartは脚光を浴びた。世界中の何百万という人が隔離を余儀なくされ、グローサリーストアに買い物に行くことも含めた対面やり取りの制限に直面した。デリバリーによるサービスへの消費者支出の増大は、Instacartの数十万人という労働者の雇用や、アボカドだけでなく電化製品やスポーツ用品、処方箋薬などさまざまな種類の商品の同日配達の展開につながった。

成長には論争もともなった。InstacartはProposition 22の主要な支持企業としてUber、Lyft、 DoorDash、Postmatesの仲間に加わった。Prop 22はギグワーカーを独立請負業者として分類し、受けられる福利厚生の種類を制限するものだ。最終的に可決されたProp 22は、Instacartの幹部に恩恵があり、配達を行うショッパーにとっては有害だとみられていた。Prop 22の採決は何年にもわたる抗議、賃金をめぐる集団訴訟、ショッパーに不平等な取り決めのために厳しく調査されることになったチップに関するInstacartの大失敗を経てのものだった。

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シモ氏はFacebookに10年在籍し、議論を呼んでいる企業で働いた経験を明らかに持っている。Facebookの最高執行責任者Sheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏はシモ氏の発表にFacebook上でコメントした。

「フィジー、これまでの10年間にあなたがFacebookにもたらした影響に対して非常に感謝しています。Facebookアプリを率いながら数多くの役割を担い、その間、テック業界におけるジェンダーの平等を啓発しました。あなたが進む方向を誇りに思います。あなたを応援しています」。

Instacartはシモ氏について「Facebookのモバイル収益化戦略」の原動力であり、Facebookの広告事業のアーキテクチャのリーダーと表現する。Facebookが従業員を1000人から10万人に増やし、上場企業となる中でシモ氏は同社の規模拡大をサポートした。上場した経験は、ゆくゆくは公開企業になるというInstacartの野心とぴったり合いそうだ。

シモ氏のCEO就任は、パンデミックが落ち着き、世界の一部が経済を再開し始める中でのものだ。Instacartが今後どのように事業を展開し、好調維持という点での新たな困難にどう立ち向かうのか、新章の幕開けとなりそうだ。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Instacart人事Facebook

画像クレジット:Instacart

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi