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【コラム】パンデミックによる米国の労働力不足はAIニーズを呼び起こす大きなチャンスとなるのか?

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編集部注:著者のChetan Dube(チェタン・ドゥベ)氏は、Amelia(アメリア)の創業者でCEOである。ニューヨーク大学の元助教授で、自動制御、コグニティブ・コンピューティング、デジタル・ワークフォースの将来的な影響に関する専門家でもある。

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パンデミックが引き起こした米国の文化や社会への地殻変動は、まだまだ終わりそうにない。その中でも特に目立つのは、米国の労働市場が完全に混乱してしまっていることだ。

何百万人もの人びとが失業しているのに、小売業やカスタマーサービス、航空会社などの企業が十分な労働力を確保できていない。Uber(ウーバー)の料金が高騰したり、飛行機がキャンセルされて延々と待たされたりする背景にあるこの不可解なパラドックスは、単に私たちにとって不便というだけではなく、パンデミック後の米国の労働側からの明確なメッセージでもあるのだ。多くの人が、現在の仕事では給料が低く、過小評価され、存在感が希薄になっていて、キャリアを変えたり、ある種の仕事からは完全に足を洗ったりしたいと考えている。

なお、低賃金労働者だけではなく、ホワイトカラーの退職者も過去最高となっていることにも注目する価値がある。パンデミックの際に実施された失業手当の延長が、一部の労働者の様子見を促している可能性もあるが、従業員たちの燃え尽きや仕事への不満も主な原因となっている。

私たちの目の前には賃金問題と従業員の満足度の問題が横たわっていて、議会はこれからの長い夏の間に解決策を見つけなければならない。しかし、その間に企業は何をすればいいのだろうか?

今、企業が必要としているのは、新型コロナウイルスによる救済措置や失業手当が期限切れとなる9月までの一時しのぎの解決策か、もしくはエンジンをただ動かし続けるだけでなく船を前進させるような、より長期的で頑丈な解決策だ。AIの採用は、その両方の鍵となり得る。

「私たちはAIの目覚めの瀬戸際に立ち会っている」と宣言したところで、おそらく2021年目にしたものの中で最も衝撃的な言葉ではないだろう。しかし、ほんの数年前までは、自動化やAIの進歩により、遠い想像からごく個人的な現実へと変化し始めたことが、膨大な数の人々を怯えさせていたのだ。人びとは、ロボットやバーチャルエージェントの登場で、命の綱である仕事を失うのではないかと、本気で心配していた(今でも一部の人は心配している)。

しかし、この「AIが仕事を奪う」というストーリーは、現在私たちが置かれている文化的・経済的な状況に適用されるのだろうか?

誰もその仕事が好きじゃないのに、AIが仕事を奪っていると言えるのだろうか?

この「人手不足」に明るい面があるとすれば、それは現実の世界にある「組み分け帽子」(ハリーポッターに出てくるクラス分けを行う帽子)の役割を果たしているということだ。雇用の問題からお金を取り除いてみると、人々がどのような仕事を好ましいと思っているのか、さらには、何を好ましくないと思っているのかが明らかになってくる。具体的には、製造業、小売業、サービス業が最も厳しい労働力不足の打撃を受けていて、こうした仕事に関連するタスク(反復的な業務、報われない接客業務、肉体労働)が、ますます多くの潜在的な労働力を遠ざけていることが明らかになっているのだ。

製造業におけるAIの導入は、パンデミックの間にサプライチェーンの変動に対応するために加速したが、今や「試験的な苦行」から広い導入へと移行しなければならない。この業界におけるAIの最適なユースケースは、品質検査、一般的なサプライチェーン管理、リスク / 在庫管理など、サプライチェーンの最適化に役立つものたちだ。

最も重要なことは、AIが機器の故障や破損の可能性を予測し、コストを削減し、ダウンタイムをほぼゼロにできることだ。業界のリーダーたちは、AIは事業継続に有用であるだけでなく、既存の従業員を置き換えるのではなく、彼らの仕事や効率性を増強することができると考えている。AIは、リアルタイムのガイダンスやトレーニングを提供して従業員を支援したり、安全上の危険を警告したり、組み立てラインの潜在的な欠陥を検出するなどの作業を引き受けることで反復的でスキルの低い作業から人間の従業員を解放することができる。

製造業において、現在のような人手不足は今に始まったことではない。米国この業界は、長い間認識の問題に直面してきた。主に若い労働者が製造業を「低技術」で「低賃金」だと考えているからだ。AIは、既存の仕事をより魅力的なものにして、収益の向上に直結させると同時に、テーマに沿った人材や専門知識を集める企業に新たな役割を生み出す。

小売業やサービス業では、過酷な接客業務と低賃金が原因となって、多くの従業員が離職している。それでも頑張っている人は、仕事に不満があっても現在受けている福利厚生のために手をこまねいているのだ。自然言語処理と機械学習を活用して人間のように人と対話できる会話型AIが、従業員を多くの単調な顧客体験のやりとりから解放することで、従業員たちはより頭を使い人間的な入力をもとに、販売やサービスブランドを高めることに焦点を当てた役割を担うことができるようになる。

多くの小売業やサービス業の企業が、パンデミックの際に、オンラインでの大量処理に対応するためスクリプト付きのチャットボットを採用した。だがそうしたチャットボットは固定されたディシジョンツリーで動作しているので、文脈を無視した質問をすると顧客サービスプロセス全体が破綻してしまう。高度な会話型AI技術は、人間の脳をモデルにしている。さらに、AIは運用を通して学習することで、より熟練した技術を身につけ、小売店やサービス業の従業員たちを煩雑な作業から解放し、顧客満足度と収益を向上させるようなソリューションを提供する。

職場におけるAIに対する躊躇と誤解が、長い間普及の障壁となってきた。しかし、人手不足に悩む企業は、AIが従業員の生活をより良くより楽にすることができる場所を検討すべきであり、それは収益成長のためにはメリットにしかならない。そしてそれが、おそらくAIが必要とする大きなチャンスなのだ。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:コラム労働アメリカ

画像クレジット:Westend6  / Getty Images

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(文:Chetan Dube、翻訳:sako)