110兆円の馬たち、過剰な調達ラウンド、そしてFutureの未来

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短い1週間が過ぎた。雑談のネタはあまりないが、お伝えしたいことはたくさんある。だが、それは楽しい話題ばかりなので、一緒に楽しむことにしよう!

まずは、高価な四足動物についての話題。

1兆ドル(110兆円)の馬とは?

The Echangeは、先週から2021年第2四半期のベンチャーキャピタル市場の調査を始めている。Anna(アンナ)の協力で、最初の記事はかなりいい感じに仕上がったと思う。他にもたくさんの記事が待ち構えている。しかし、ユニコーン関連の数字が、私の心を鷲掴みにした。考えてみて欲しい

  • 2021年第2四半期に生まれたユニコーンの数は136社で、過去最高を記録した。
  • CB Insights(CBインサイツ)が指摘するように、これは「1年前の2020年第2四半期に誕生した23社のユニコーンの約6倍であり、2020年全体で誕生した128社のユニコーンをすでに上回っている」のだ。

この角の生えた馬(ユニコーン)ブームの結果、現在世界には750頭のユニコーンがいることになった。元TechCrunch関係者で優秀な人間であるKatie Roof(ケイティ・ルーフ)氏がこの統計をツイートしたとき、私が最初に思ったのは、ユニコーンの価値が合わせて1兆ドル(約110兆円)を超えたということだ。

だがその直感は大きく外れていた。実際の数字は2.4兆ドル(約260兆円)近くなのだ(CB Insightsのデータによる)。これは驚くべき大きな数字だ。比較してみると、世界の未上場ユニコーンの合計は、現在のApple(アップル)の価値の2兆4200億ドル(約266兆円、Yahoo Finance調べ)とほぼ同額である。

ひょっとすると私は、現在ほとんど凍結された状態で非公開市場に置かれているユニコーン株式の量に、過剰反応しているのかもしれない。特にユニコーンのエグジットは増えているのだから。しかし、今日の高いエグジットレベルをもってしても、時間をかけてこの特別な状況を解消していくことは可能なのだろうか?いや、そうとは思えない。第2四半期に、週末を含めても1日あたり1.5社のユニコーンが増え続ける状況の中ではそれは無理な話だ。

資金調達ラウンド

先週は1つの資金調達ラウンド(非常に興味深かったこのr2cラウンド)についてしか書けなかった。その大きな理由は、他に噛み砕くべきことがたくさんあったからだ。しかし、より詳細な財務情報を掲載していないラウンドは取材しないと宣言してから、ベンチャーキャピタルからのピッチの入力がゆっくりになったのも事実だ。

先週の連休でピッチのボリュームが減ったのか、それとも私がみんなを怖がらせてしまったのかはまだはっきりしない。しかし、私は資金調達ラウンドのピッチのインバウンド量を、全体としても、業界別 としても、何が起こっているのかを判断するための材料に利用している。だから私は読者のみなさんに(1)私に何かネタを送ってもらえること、(2)それと同時にたくさんの情報も共有してもらえることを期待している。

宇宙のSPAC

Y Combinator(Yコンビネーター)はきちんとした組織だ。その最近の投資先の1つが、 Albedo(アルベド)だ。同社は地球の超高解像度写真を撮影する低軌道衛星のネットワークを構築することを目指すスタートアップである。それを実現するのはNatasha(ナターシャ)記者の言葉を借りるならクソ難しいことだが、既製の衛星部品や軌道上での燃料補給などの、さまざまな新しい技術を導入することで、可能になるかもしれない。

関連記事:10cmの高解像度衛星画像提供を目指すAlbedoが10.8億円調達

Albedoやそれに似た会社があるからこそ、私は毎年Demo Day(デモデー)を見に行くのだ。今後何が起きるかを目にする機会を持つことができるし、非常にわかりやすく楽しい体験だ。

だからこそ、今週、衛星画像処理会社2社がSPACで株式公開することを発表したときに、私は興味をそそられた。わかったことは、この両社が狙っているのは、低解像度の画像を提供することなので、真の意味でAlbedoとは競合しないということだ。しかし、彼らは……別の理由で注目されている。

Satellogic(サテロジック)は、このシンプルで芸術的な一連のチャートを提供している(各チャートの日付は必ず確認して欲しい)。

画像クレジット:Satellogic

また、Planet(プラネット)は下のグラフのように、衛星技術の経済がいかに未来にかかっているかを強調している。

画像クレジット:Planet

同社の長期的な粗利益率の目標は80~85%(資料によれば売上原価は15~20%)だが、そこに到達するまでにどれだけの時間がかかるかがここから読み取れる。これは、ベンチャーキャピタルの世界に興味深い問題を投げかけている。

つまり、Albedoのような企業が、十分なネットワークを構築し、スケールアップするためには多くの時間と資金が必要になるということだ。そして、普通のソフトウェア会社なら製品を販売した初日から得られるような粗利益を得るために、規模を拡大していくことにも時間がかかるだろう。

これが、たとえわずかでも持続的な成長が期待できるソフトウェア製品に多くの資金が集まっている理由の1つだ。利益率の高い経常収益は、価値創造のためのチートコードのようなものなのだ。そうして、投資家はだれでもそこに資金を投入したいと考えることになる。衛星技術は、一般に非常に重要なものなのだが、とにかくコストが高く、時間がかかる技術なのだ。

私の疑問は、ソフトウェア企業がベンチャーキャピタルへのリターンを生み出すことに長けているせいで、他の形態のスタートアップ企業が注目や資本を得るために苦労するのではないか?ということだ。すでにそうなのだろうか?

Future

最後に、取り上げるのはFuture(フューチャー)だ。正確にいえば、Future(未来)の未来だ。私はこのa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)によるサイトが気になっている。

このサイトが開設されて以来、私は毎週数回チェックしては、ベンチャーキャピタルの集合的意識を知りたいと思ってきた。私がそうするのは、私が変人だからというだけではない──まあ変人だけど!──またメディアがハイテクを嫌っているという記事を読んで心配したからでもあるが──率直に言えば──宇宙的に潤沢な資金を持つベンチャーグループがどんなサイトを作るのかに興味があったからだ。やはりすばらしい人材が採用されている。

私たちはFutureブログの発行サイクルの合間を縫っているようだ。メインコンテンツの最後の記事が出たのは約1カ月前で、最新のエントリーは6月25日付だ。そしてその最新記事は、7月にさらなるコンテンツを出す約束をしたメモに過ぎない。

これは予算、約束、派手なドメイン、そしてa16zの世界の中で何かを語るべき人の数を考えると、少々物足りないかも?もっとたくさんの言葉を尽くせばよいのに。7月がどうなるかに期待しよう。

さて今回はここまでとしよう。ではまた。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:The TechCrunch Exchangeユニコーン企業SPACa16z

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)