フェイスブックがFTCのリナ・カーン委員長を独禁法違反訴訟から除外するよう要求

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Facebook(フェイスブック)がAmazon(アマゾン)の仲間に加わって、反トラストのタカ派であるLina Khan(リナ・カーン)氏が突然FTCの委員長になったことに警戒を示し、氏を同社に関するすべの決定から外すよう要求した。その主張はAmazonの場合とほぼ同じで、就任前のカーン氏のプロフェッショナルとしての意見が、このような企業は反トラストのルールに違反しているという、あまりにも過激なものだった、と両社は述べている。

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今回はFTCに提出された書簡をWSJが入手したが、FTC自身はコメントを断っている。書簡でFacebookは、カーン氏の最近数年間の学術的刊行物や他のメディア上の記事は、すべてが積もり積もって、氏を同社に関する決定から排除すべき根拠になる、と述べている。現在、Facebookに陳情書のコピーを求めているため、届き次第この記事をアップデートしたい。

WSJの記事によると、陳情書では次のように述べられている。「カーン委員長は一般的に公表される声明の中で一貫して、弊社自身が認めていない行為でFacebookを非難するだけでなく、その行為が反トラストの侵害に該当するという彼女の信念を述べてきた。新しい委員がすでに事実と法に関する結論を描き、ターゲットを事前に違法者と見なしているとき、デュープロセス(適正手続)はその個人が自己を除外することを要求している」。

FTCとカーン氏には、FacebookとAmazonからの除外要求に応じる能力がない。彼女は自分の指名議事の中で、このような除外要求があった場合にはケース・バイ・ケースで解決するとと述べている(金銭的ないし個人的関心なら自動的な除外になる)。おそらく彼女は今すでに、部内の倫理専門家と相談しているのではないだろうか。

たしかにカーン氏は、自らの政策の立ち位置を多くの記事や論文で発表してきた。その多くは、反トラストの規制当局が自分たちの法的権力の解釈と実行においてあまりにも保守的で、また、今日隆盛を極めている巨大テクノロジー企業の監督においてはあまりにも甘いと論じている。競合他社を買収したり、価格を人為的に下げて市場に圧力を加えたり、顧客データの収集と利用に関して虚偽を述べたりといった行動は、見逃されたり過小な罰で済まされていた。

特に彼女は、下院が2020年秋発行した反トラスト報告書で顧問弁護士を担当している。1966年から1970年までの事件ではAmazonとFacebookの圧力でFTCの委員が、彼が参加した議会の調査の間に「偏見」で除外された。たしかにそれは、訴えを取り上げるための有望な契機にはなるが、状況は決して当時と同じではない。私は法律家ではないがそんな私から見ても、今やいかなる訴えも、具体的な申し立ても事前審理すら為されず、ただFacebookやApple、Google、Amazonなどはすべて独占であるか、または市場に対する力を持っているという一般的な風説があるだけだ。そのため下院の2020年の報告書も、彼らにとっては痛くも痒くもない。

むしろ下院の報告書が見つけたメインの事項は、既存の法と規制が不備があり、いかなる訴訟もありえないということだ。確かにカーン氏はここ数年、まさにこのことを屋根の上から叫んできた。でもその結論は法律の問題であり、FTCの仕事ではない。まだ書かれてもいない法律が定義している反トラストの訴訟をカーン氏が事前審理することは、おそろしく難しいだろう。

カーン氏のFTCは、同委員会が抱えていたFacebookに対する反トラストの訴件の一部が棄却され、彼女の就任直後という初期にやや躓いたが、しかしそれは彼女のせいではない。それは、Facebookがソーシャルメディアを独占的にコントロールした、という訴件に十分な証拠がないため、判事がFTCにもう一度出直せと告げたものだ。それに対しカーン氏の意図は、補足文書を提出するか、または負けを認めて来年か再来年の別件のために力を結集するかのどちらかだろう。しかしいずれにしても、彼女に対して言われている「偏見」の問題を解決してから決定を発表するのがベストだ。なお、除外要求が現在行われている訴訟に影響を及ぼすか、という推測をFTCは断った。

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しかしFTCは、バイデン大統領の大統領命令という形で、ホワイトハウスから明示的な支持を得た。大統領令が優先的に取り上げているのは「支配的なインターネットプラットフォームの、特に若い競合他社の買収や連続的な合併、データの集積、『無料』のプロダクトによる競争、そしてユーザーのプライバシーへの影響」だ。これでカーン氏もおそらく前述の法的チャレンジに対してあまり痛みを感じないだろう。

AmazonとFacebookが提出した陳情は、同社自身がひとかけらもリスクを負わない(訴訟ではない)ものであり、単純に除外の挑発という外部的チャンスに賭けている。だから、陳情という形になっているのであり、それは彼らが今後必然的に独占的慣行をFTCとカーン氏から訴えられた場合に備えるパン屑でもある。法的反動は予測が難しいが、通常は訴状が最初からテーブルの上にあった方が後から持ち出すよりも良いというわけだ。

カーン氏の委員長着任により、FTC自身も改革が必要であり、Facebookのような企業を相手にできるだけの強さが必要だ。そして、これが、今後の長い々々勝負の最初の一手にすぎないことは、誰の目にも明らかだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookFTC独占禁止法アメリカ

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)