フィンテック
資金調達(用語)
ゲーミフィケーション(用語)
決済 / 決済サービス / 決済システム(用語)

ユーザーが課題をクリアすることで請求書の支払額を減らせるPlay2Payのサービスとは?

次の記事

不条理でホラー感あるファンタジースポーツ「Blaseball」、モバイル化に向けて3.3億円のシード資金調達

決済サービスにゲーミフィケーションを取り入れることは、特に新しい概念というわけではない。

多くの企業がゲーミフィケーションとペイメントを独創的な方法で組み合わせようとしている。米国時間7月15日、そのような企業の1つであるPlay2Pay(プレイツーペイ)が、シリーズAラウンドで1300万ドル(約14億3000万円)の資金を調達した。

マイアミを拠点とするこのスタートアップ企業のミッションは単純明快だ。消費者が、ゲームをしたり、動画を見たり、アンケートに答えたりといったその日の課題をクリアすることで、請求額を減らせるようにしたいと考えたのだ。その減額率は平均30%(!)にもなるという。

Play2Payは、設立から5年間はブートストラップで運営されていたが、2020年6月にシードラウンドで個人のエンジェル投資家から、初めての外部資本となる750万ドル(約8億2000万円)を調達した。今回のシリーズAラウンドはTelesoft Partners(テレソフト・パートナーズ)が主導し、Harbor Spring Capital(ハーバー・スプリング・キャピタル)の他、元AT&T副会長のRalph de la Vega(ラルフ・デ・ラ・ベガ)氏、元Reuters(ロイター)CEOのTom Glocer(トム・グローサー)氏、Madison Dearborn Partners(マディソン・ディアボーン・パートナーズ)の共同創業者でシニアアドバイザーのJim Perry(ジム・ペリー)氏、Virtusa(バートゥサ)の創業者で元CEOのKris Canekeratne(クリス・カネケラトネ)氏などの個人投資家が参加した。

この決済プラットフォームは、企業と消費者の間の「価値交換」を仲介し、注目度やエンゲージメントを請求書の支払いに利用できる通貨に変換するという。その一方でブランド企業は、商品やサービスを宣伝する新しい方法を得られる。

Play2Payの創業者でCEOを務めるBrian Boroff(ブライアン・ボロフ)氏は「プリペイド携帯電話のユーザーには、携帯電話サービスの料金を支払うための代替手段が与えられるべきであり、無線通信事業者は、広告費を使った新たな宣伝モデルを採用するべきである」というビジョンに基づき、2015年に同社を起ち上げた。

そして現在、同社は自らを、大手サービスプロバイダーや金融機関の決済プラットフォームに直接統合された、世界初の「広告支援型決済レール」と位置づけ、ユーザーのエンゲージメントを請求書の支払いに直接変換する唯一の企業であると主張している。

画像クレジット:Play2Pay

この「オプトイン」サービスは、AT&Tメキシコ、米国のCricket(クリケット)、ブラジルのTIM、インドネシアのlndosat Ooredoo(インドサット・オレドー)、英国のLycamobile(ライカモバイル)などの通信事業者と提携し、それらの国々で1億人以上の携帯電話加入者に提供されている。

この報酬型アプローチは、ユーザーの心に響いているようだ。2020年6月から2021年6月の間に、このスタートアップのARR(年間経常収益)は300%近くに急増したと、通信業界のベテランであるボロフ氏は述べている。

同氏によると、プラットフォームに参加したユーザーのうち、約25%が毎日報酬を得ているとのこと。一方でサービスプロバイダーは、Play2Payプラットフォームで加入者にエンゲージメントすることによって、最大17%の収益拡大を実現したという。

「当社の事業モデルはB2B2Cです。世界中のティア1サービスプロバイダーが当社の請求書支払い機能を直接統合しており、その顧客層にサービスを宣伝することで、さらに利用者を増やしています」と、ボロフ氏はTechCrunchに語った。

そしてエンドユーザーは、価値と引き換えに自分のターゲティング設定を共有する。これを利用することで、ブランド企業やモバイルアプリの開発者は、Play2Payのユーザーに自社の製品やサービスを宣伝する際に、より多くの情報を得ることができる。

Play2Payのプラットフォームは、サービスプロバイダーやマーチャントには無料で提供されており、決済にはインターチェンジ、アクワイアラー、チャージバック、ゲートウェイなどのコストや手数料が掛からない。

その代わり、Play2Payはブランド企業やモバイルアプリの開発者から収益を得ている。これらのブランドや企業は、自社の製品やサービスを宣伝するために、Play2Payのモバイルユーザーへのアクセス料を支払うという仕組みだ。例えば、あるモバイルゲーム会社は、Play2Payのアプリから自社のアプリをダウンロードして一定期間(2時間など)ゲームをプレイしたユーザー1人につき、100ドル(約1万1000円)をPlay2Payに支払う。エンドユーザーとモバイルゲーム会社の双方が、目標達成に向けた進捗状況を把握できるように、Play2Payはその技術とパートナーネットワークを通じて、アトリビューション・トラッキングを行っている。それ以外のフォーマットとしては、動画の視聴やアンケートへの回答、そして従来型のネイティブ広告などがある。

これらの収益はすべてPlay2Payによって集約され、その大部分はアプリ内通貨の形でエンドユーザーに還元される。そして残りは、Play2Payプラットフォームを広める無線通信事業者パートナーなどのサービスプロバイダーと、サービスの運営と支払い処理を行うPlay2Payに分配される。Play2Payは、すべての現金を収集し、それに応じて各関係者に支払いを行う。

同社は今回調達した資金を、製品開発、人材採用、パートナー・エンゲージメントなどに活用する予定だ。

関連記事
デジタルレンディングプラットフォームのBlendの新規公開での評価額は約4400億円超
アメリカン・エキスプレスがBodesWellと提携しファイナンシャルプランニング分野に進出
グーグルがpringを買収した理由とは? 「米IT大手が日本の決済市場を席巻」は本当か

カテゴリー:フィンテック
タグ:Play2Pay資金調達決算ゲーミフィケーション

画像クレジット:Svetlana Borovkova / Getty Images

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hirokazu Kusakabe)