再利用可能ロケット開発iRocketがわずか2年以内の商業化を目指しNASAと新たに提携

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【コラム】政治的なことと個人的な時間、仕事では両方のためのスペースを確保する

再利用可能ロケットのスタートアップ、iRocket(アイロケット)は、わずか2年以内に商業化するという目標を掲げて、NASA(米航空宇宙局)と新たな提携を結んだ。

この提携によって、iRocketはNASAの試験施設と技術サポートを、主にアラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターで利用できるようになる。会社は最初のロケットエンジンテスト(地上燃焼試験)をハンツビル施設で2021年9月に実施したいと考えている。

iRocketは今後5年間の再利用可能エンジンと打ち上げロケットの試験、開発のために5000万ドル(約55億円)を準備している。NASA施設を利用できるということは、エンジン試験のための制御された環境を提供する重要設備である試験台を利用できることを意味している。iRocketは、オハイオ州のグレン研究センターで真空試験(宇宙環境をシミュレートする)を、マーシャル宇宙飛行センターで海上試験を行う予定だ。

「当社はマーシャル宇宙飛行センターと、非常に綿密な検討を重ねてきました」とiRocketのCEOであるAsad Malik(アサド・マリク)氏はTechCrunchのインタビューで語った。

このエンジンは最終的にiRocketの新しい打ち上げロケットShockwave(ショックウェーブ)の動力になる。ロケットは完全再利用可能な無人小型ロケットで最大積載能力は約300kgおよび1500kg。3Dプリンティングで作られたエンジンは、メタンと液体酸素を燃料とする。「メタンは深宇宙ミッションに最適な燃料になるでしょう」とマリク氏は言った。

ニューヨーク拠点のスタートアップはエンジンを極超音速(hypsesonic)にすることも目標にしている。野心的なゴールだ。そしてiRocketには野心的な計画がある。マリク氏は再利用可能ロケットエンジンとロケット自身、両方の主要サプライヤーになろうとしている。ロケットステージも再利用できる設計(他のロケット開発者との決定的な違い)なので、衛星や貨物の打ち上げミッションだけでなく、いずれ宇宙ごみの除去やバイオテク企業のための回収実験もできるとマリク氏は言っている。

Aerojet Rocketdyne(エアロジェット・ロケットダイン)のLockeed Martin(ロッキード・マーティン)への売却(現在も連邦取引委員会が審査中)は市場に空白を作る、とマリク氏は指摘する。「そうなることで、海外製部品を避けるよう議会が強く押している今、独立系ロケットメーカーのいない米国市場が開放されます」と彼は言った。「つまりこれは、私たちが政府や国防省、NASAなどのパートナーと協力して、私たちに必要な次世代宇宙推進システムを開発するチャンスなのです」。

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カテゴリー:宇宙
タグ:iRocketロケットNASA

画像クレジット:iRocket<

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook