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ローコードの後に来るものは?そして、何故公開をする必要があるのか?

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スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

第2四半期の業績報告シーズンは順調に進んでいる。つまり、Exchangeのスタッフたちが、重要なトレンドやメモをお届けするために、多くの公開企業のCEOたちにせっせと電話をかけているということだ。ということで、今回はAppian(アピアン)、Paycom(ペイコム)、BigCommerce(ビッグコマース)を取り上げる。

その後、BNPL(後払い)の世界スタートアップの競争への最近の報告を強化してくれる、新鮮な素材を覗き見する。持ち帰りバッグの用意はよろしいだろうか?お土産をどっさりお渡しできますように!

まずAppianから始めよう。私がこの会社を知ったのは、多くの企業が同社のローコード技術を使用してアプリケーションを構築していた、パンデミックの最中だった。当時のAppianの評価額は現在の約半分ほどだった(同社の第2四半期のレポートはここで読むことができる)。

それ以降、同社はクラウドへの注力を継続し、プロフェッショナルサービスの売上よりも利益率の高いSaaSによる売上を優先している。似たような変革を実行しているのは同社だけではない。しかし、今回の記事のために、2020年の多くを費やして掘り下げた基本的なローコードの後に何が起こるかについて話してみたい。

Appianは、第2四半期の業績報告に関連して、プロセスマイニング会社のLana Labs(ラナ・ラボ)を買収することを発表した。プロセスマイニングとは何かって?聞いてくれてありがとう。プロセスマイニングとは、自動化でき企業内のプロセスを見つけるためのソフトウェア技術だ。会社のためにRPAサービスを導入するのは結構なことだが、もし何を自動化できるかわかっていない場合には、完全な価値を得ることは難しいかもしれない。

これがAppianの場合とても重要なものになる。なぜなら同社はいまや、企業が同じ屋根の下でアプリケーションを作成するのに役立つ、プロセスマイニング、RPA、およびローコードツールを持つようになったからだ。実際には、これらのパーツは、自動化するものを特定するプロセスマイニングと連携して機能する。そこで特定されたワークフローは、RPAやその他の形式の自動化(AI、人間)の中に取り込まれ、企業が効率的な順序で業務を遂行できるようにする。

AppianのCEOであるMatt Calkins(マット・カルキンス)氏に、ワークフローとアプリケーションの違いについて尋ねてみた。彼はそれらはほとんど同じものであるという。これにより、ローコードの世界をもう少し理解することができる。企業が本当に必要とするアプリケーションの数はいくつなのかと、私はいつも疑問に思ってきた。だが企業が自動化する必要のあるワークフローの数に関する同様の質問には、違う感覚を受ける。もっともっとたくさんの可能性があるように感じるのだ。つまり、より大きな市場の可能性があるということだ。

ローコードについての私の考えを改めたい。このダイナミクスが、単により多くのアプリケーションを作れるというだけではなく、企業が業務をデジタル化し、決まりきったタスクを自動化するのにより役立つというのなら、このソフトウェア手法を私はもっと自信をもって推せる。

次にBigCommerceの話題へ移ろう。このオープンSaaS方式のeコマースプラットフォームはここ数四半期好調で、Shopify(ショッピファイ)のグローバルな知名度が高まっているにもかかわらず、収益の伸びが順調に加速している。株式公開から1周年を迎えたばかりなので、CEOのBrent Bellm(ブレント・ベルム)氏に数分間、この1年で学んだことについて話を聞き、公開には価値があったか否かを尋ねた(会社の第2四半期のレポートはここで読むことができる)。

もちろん、と彼は答えた。彼は私が紹介したくなるような、企業上場における2つの効用を説明した。ベルム氏は、会社の最近の業績に貢献したさまざまな要素から主となる要因を分離することは不可能だとはいうものの、それら2つはBigCommerceのより速い成長に貢献している。

ともあれ、株式公開する理由は以下のとおりだ。

  • 信頼性:オープンファイナンスの公開企業であることは、市場での信頼を育むことができる。スタートアップにはやや頻繁に死にやすいという厄介な習性がある。公開企業はそれよりははるかに死ににくい。つまり、顧客が会社を信頼する可能性が高く、おそらく取引を確保する可能性が高まることを意味する。さらに、BigCommerceが公開されたことで、パートナーたちはBigCommerceに対する信頼を深めており、ベルム氏によれば、そのことがより多くのパートナーシップと成長を促しているという。
  • 注目度の向上:私は株式公開にまつわるこの側面を理解していたつもりだったが、ベルム氏が私の視野を広げてくれた。もちろん、株式公開はブランディングイベントの1つだ。しかし、私は話はそこで終わりだと思っていた。だがベルム氏は、公開したことによって、たとえば彼の会社が何かをしたときにアナリストコミュニティが注意を払うようになると説明した。そのために、BigCommerceは、スタートアップのときよりも、公開会社となったときのほうが世間の注目を集めるのが容易になる。良い意味で、自社を取り巻く市場ノイズが強調されるということだ。

ベルム氏はThe Exchangeに対して、株式公開は彼の会社にとって「圧倒的に良いこと」だったと語る。ユニコーン諸君、聞いたかね?

次はPaycom(ペイコム)の話だ。このインタビューで主に話題に出たのは、人材に関する2つの話題だ。まず最初の話題、Paycomは、他のすべての企業と同様に、競争力のある技術人材市場を扱っている。しかし同社は、従来のテクノロジーハブから遠く離れているにもかかわらず、特に必要とする人材の不足に直面している。Paycomはオクラホマ州を拠点としている(会社の第2四半期のレポートはここで読むことができる)。

しかし、現在の人材市場とその全般的な逼迫は、別の意味でPaycomに影響を与えている。このHRテクノロジー企業は、一般企業が人材を確保してその後維持し続けるのに役立つソフトウェアを販売しているからだ。同社のCEOであるChad Richison(チャド・リチソン)氏によれば、企業は採用後の必要な手続きを終えたあと、人材を手放さないことに重点を置くことで恩恵を受けているという。

2つ目の話題は、労働市場はベンチャーキャピタル市場ととても似てきたことがわかったということだ。リチソン氏は、現在は誰かを面接したら2、3日で採用するか否かを決断しなければならないのだという。以前はもっと時間に余裕があったが、現在の状況は、VCが数週間や数カ月ではなく数日で小切手を切る決断をすることを余儀なくされているのに似ている。

暑い(熱い)夏になりそうだ。

BNPL(後払い)市場を狙うスタートアップ

Splitit(スプリティット)のCEOであるBrad Paterson(ブラッド・パターソン)氏によれば、BNPL市場を狙うスタートアップにとって希望はまだ残されているという。Splititを使えば、顧客は現在のクレジットカードを使用して分割払いを行うことができる。つまり、これは従来のクレジットとBNPLの組み合わせなのだ(SplitItのCrunchbaseページはこちら)。

パターソン氏はBNPLスタートアップの現在の市場についてのコメントを話してくれた。Square(スクエア)とAfterpay(アフターペイ)の取引について多くのことを話した後、私はなぜ中小企業が、彼らの市場に参入してくる巨大企業の猛攻を凌いで、生き残ることができるのかについて彼の意見を聞きたくなった。

パターソン氏は電子メールの中で「平均購入価格、分割払いプランの長さ、業界の統合サービスなど」と説明した豊富な要因が、この世界での生き延びる余地を守っているのだと説明した。そして、BNPLソリューションは「小規模な購入から始めて拡大できる」ため、この分野にはスタートアップが入り込める余地があるのだという。

おそらくより良い質問は、消費者の信用と習慣を構築するために、あとどれほどの手間が必要なのかということだろう。それは、BNPLツール自体よりもはるかに広い問題空間のように思える。

スタートアップの競争

スタートアップの競争に関する少し前の仕事に戻ろう。Hustle FundElizabeth Yin(エリザベス・イン)氏が、共有したくなる一覧を送ってきた。スタートアップにとって市場で主導的役割を果たすことの重要性について話し合っていたときに、私たちは主に、若い企業がさまざまな関係者を結びつけようと試みているマーケットプレイス空間のことを話題にした。

たとえば配車の世界では、それは運転手と乗客だ。フードデリバリーではさらに複雑で、配達者、消費者、食品を生産する事業所が関わる。どのような話かは想像できるだろう。イン氏は、下位の市場シェアに満足していることは「一般的に非常に難しい」ことだという。彼女は続けた:

市場の価値は、通常需要と供給の両方が拡大するにつれて増加します。例えばAirbnbでは宿泊施設と顧客の数の増加が起きていますし、Uberでは運転手と乗客の両方が増えています。などなど。実際、多くの場合には、それが唯一の価値なのです。

したがって、市場で3位または4位である場合、顧客の維持は大きな潜在的課題です。なぜならより大きなネットワークを持っている1位または2位の競争相手に、現在の顧客が逃げていかないようにするにはどうすれば良いかを自問しなければならないからです。これが、マーケットプレイスが統合されていく傾向がある理由なのです。

初期からの投資家にとっては、1位または2位への売却によってうまく決着できる可能性があるものの、1位または2位に投資した場合に比べると、結果は1〜2桁低いものになってしまう可能性があります。このため、好調なスタートを切ったマーケットプレイスがすでにいくつかある場合には、アーリーステージの投資家たちは新しいプレイヤーに投資することを躊躇する傾向があるのです。

イン氏はまた、私たちの質問に答えて、スタートアップによるマーケットプレイスの競争は、一般的に少数の主要なプレイヤーがいる市場を生み出し、市場シェアが低いことで小規模な参入者が追い出されてしまうことで、他の競合他社は死に追いやられるという。彼女は資本の影響に関して興味深い視点を追加した:

一般的には、そう、投資家もこの現象に関与しているのです。いくつかの企業が立ち上がると、投資家はそれらの最初のリーダーにより注力する傾向があり、かつ他の人たちは競合他社への投資を敬遠する傾向があります。そして、お金がその分野に溢れたら、顧客獲得コストが問題になるのです。顧客獲得コスト(CAC)がトップ企業によって引き上げられてしまうのです(これは、フードデリバリー企業の台頭とともに見られた現象です)。これが、マーケットプレイス企業を簡単に立ち上げることができない理由なのです。顧客を獲得する余裕を持てないのです。

これは、ある意味で、スタートアップの世界におけるキングメイキングについての質問に対する答だ。ベンチャーキャピタルは、多くの場合誰が勝つかをあらかじめ決めてはいないものの、資本の影響は実際にマーケットプレイスの世界で結果を歪める可能性がある。さて、最初のVision Fund(ビジョンファンド)が、どのように資本を振り分けたかを話し始める前にこの話題はやめておくことにしよう!😂

ではまた、ワクチン接種が無事に終わりますように。

ではまた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:The TechCrunch Exchangeローコード新規上場マーケットプレイスBNPL

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)