キノコ由来代替肉の豪スタートアップ「Fable Food」が米国へ進出

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オーストラリアのシドニーを拠点とする新しい植物由来食品スタートアップのFable Foodが資金調達を発表した。キノコから代替肉を製造している同社はシードラウンドで650万オーストラリアドル(約5億2900万円)を調達した。このラウンドを主導したのはオーストラリアのVCでCanva、Culture Amp、SafetyCultureにも投資しているBlackbird Venturesで、他に農業・食品テックベンチャーファームのAgFunder、持続可能性に着目するAera VCとBetter Bite Ventures、さらにシンガポールを拠点とする農産物輸入業者のBan Choon MarketingとSequoia CapitalのパートナーだったWarren Hogarth(ウォレン・ホガース)氏も参加した。

Fableは2021年中の米国での販売開始に向けて準備をしている。オーストラリアでは同社製品をWoolworths、Coles、Harris Farm Marketsなどの小売店で購入できる他、レストランのGrill’dでは最近136店舗でキノコ肉バーガーパティの提供を始めた。Fableの製品はシンガポールや英国のレストランでも味わえる。

Fableは高級レストランのシェフから化学系エンジニアで菌類学者(キノコ研究者)に転身したJim Fuller(ジム・フラー)氏、オーガニックキノコ農家のChris McLoghlin(クリス・マクラフリン)氏、以前にShoes of Preyを起業したMichael Fox(マイケル・フォックス)氏によって2019年に創業された。

FableのCEOであるフォックス氏はTechCrunchに対してメールで、自身は6年間をベジタリアンとして過ごした後に「健康、環境、倫理的な理由で」ヴィーガンになったと述べた。

フォックス氏は「友人や家族と話をすると、多くの人が同じ理由で肉の消費を減らしたがっていますが、肉の味や食感が好きなので難しいようです」と述べた。同氏は植物由来食品にもっと簡単に移行できるようにしたいと考え、数人のシェフからキノコをベースの食材にすることを勧められた。その後フォックス氏は、キノコから作る代替肉を開発していたフラー氏とマクラフリン氏と出会った。

フォックス氏は次のように語る。「出会ったときに、我々は同じ価値観とゴールを共有し、お互いに補完しあうスキルセットを有していることを確信しました。我々には工業型農業に終止符を打ち、食糧システムをもっと倫理的で健康で持続可能で温室効果ガスを削減するものにしたいという共通の願望がありました」。

Fableの最初の製品にはプルドポークや蒸し煮の牛肉、牛のブリスケット(肩バラ肉)の代替(フラー氏はテキサスでスロークックの食事を食べて育ち、その体験を再現したかった)と、調理済み食品のラインナップがある。使われているのは椎茸だ。フォックス氏は椎茸について「自然のうまみがあって味わい深く、成長が遅いキノコなので自然と肉のような食物繊維になり、動物性タンパク質と同様の肉っぽい噛みごたえが得られます。調理したときの化学的組成がちょうどよく、動物性食品のような風味になります」と説明する。

Fableの調理済み食品。画像クレジット:Fable

フラー氏はFableの最高サイエンス責任者を務めている。Fableは同氏のシェフ、化学系エンジニア、菌類学者としての経験を活かして、最小限の加工と原材料で優れた味、香り、食感の食品を作っている。例えば蒸し煮の牛肉の代替品は、椎茸以外は7種類の原材料と塩、コショウでできている。

米国時間8月11日、FableはDan Joyce(ダン・ジョイス)氏が最高事業成長責任者に就任しグローバルでのセールスとマーケティングの責任者になることも発表した。同氏は安全検査ソフトウェアのSafetyCultureでヨーロッパ、中東、アフリカの責任者を務めていた。Fableはレストランやミールキット企業との協業で米国での販売に乗り出す。

キノコをベースに代替肉を作っているスタートアップには他にMeatiAtLastがある。フォックス氏によれば、この2社は菌類の子実体であるキノコではなく、菌の構造である発酵した菌糸体を使っているのが大きな違いだという。

Fableは新たに調達した資金で研究開発とオーストラリアや他の国での製造能力の拡大を図る。同社は今後の製品の計画を明らかにしていないが、フォックス氏はキノコを使って豚肉、鶏肉、ラム肉といった植物性タンパク質の代替品を開発する予定だと述べた。

画像クレジット:Fable Food

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)