微小重力の宇宙での製造業スタートアップVardaがRocket Labと宇宙船3機の購入契約締結

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軌道上で製造を行うスタートアップのVarda Space Industries(バルダ・スペース・インダストリーズ)の動きが早い。4200万ドル(約46億円)のシリーズAを発表後わずか数週間で、最初のミッションに向け、打ち上げ会社のRocket Lab(ロケットラボ)から3機のPhoton(フォトン)宇宙船を購入する契約を締結した。

最初の宇宙船は2023年第1四半期に打ち上げられる。2機目は同年末、3機目は2024年の予定だ。創業8カ月のVardaにとって果敢なスケジュールであり、最初の3つの宇宙での製造ミッションとなる。契約には、4機目のPhotonを購入するオプションが含まれている。

実績ある企業との提携は理に適っている。Photonの実績を考えればなおさらで、その中には、2021年末のNASAから資金提供を受けた月へのミッションが含まれる。また、Rocket Labは、カリフォルニア大学バークレー校の宇宙科学研究所から、火星への1年間のミッションのためのPhoton宇宙船2機の設計下請け契約を獲得した。

画像クレジット:Rocket Lab

元SpaceXのWill Bruey(ウィル・ブリュイ)氏とFounders FundのプリンシパルであるDelian Asparouhov(デリアン・アスパロホフ)氏が創業したVardaは、宇宙でしか得られない製造条件である微小重力に大きな期待を寄せる。彼らは、バイオプリントした臓器、特殊な半導体、光ファイバーケーブル、医薬品など、地上では作ることのできない製品向け市場の潜在力が、宇宙船の製造や宇宙への打ち上げにかかるコストに見合うものだと考えている。

今回の契約では、それぞれのPhotonにVarda製の2つのモジュールを搭載する。1つ目は実際に宇宙で製造を行うための微小重力製造モジュール、2つ目は完成品を地球に持ち帰る再突入カプセルだ。アスパロホフ氏がTechCrunchに語ったところによると、再突入カプセルは、最初の2、3回のミッションでは「40〜60kg程度の材料」を持ち帰るよう設計されており、その後の打ち上げでの速やかな規模拡大を目指している。

Vardaによると、このアプローチはリスクが少なく、段階的に進められるという。「だからこそ、投資家や国防総省、NASAなどから多くの関心が寄せられているのです。これは非常に現実的で、一歩ずつ進んでいくアプローチなのです」とアスパロホフ氏は語る。「私たちは、この最初の宇宙工場を実証します。事業規模が拡大すれば、より大きな宇宙工場を送り込むことができ、最終的には国際宇宙ステーション(ISS)の10倍の大きさのものを作ることができるかもしれません。しかし、私たちはそのような規模から始めようとしているわけではありません。非常に小規模で短期的、かつ実用的なアプローチから始めようとしています」。

各ミッションは打ち上げから着陸まで約3カ月間だとRocket Labは声明で述べた。

画像クレジット:Rocket Lab

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi