モバイルアプリのアプリストア支配の打破で上院が新法案

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あらゆる決定権が2人の巨人にあり、彼らが勝手に上前をはねているこの世界では、長年モバイルソフトウェアのメーカーが、アプリストアは直接開発者へ行くべきキャッシュの不公平な分け前をとってきた、と不平を言ってきた。そんな不満を聞いた一部の上院議員たちが先に、新しい法案を提出した。もしそれが通れば、AppleとGoogleの、彼らのオペレーティングシステムの中でアプリの購入をコントロールできる能力を大幅に減らし、モバイルソフトウェアの流通のあり方に全面的な動乱がやってくるだろう。

そのOpen App Markets Act(オープンなアプリの市場法)と呼ばれる法案は、収益の30%をAppleやGoogleに献上して疲弊していた開発者たちの、利益になる多くの権利を保証するだろう。法案の全文を下に埋め込んだが、それはオペレーティングシステムをコントロールしている企業に対し、サードパーティのアプリとアプリストアを認めるよう、迫っている。

この法案はまた、公式のアプリストア以外の、アプリをもっと安く入手できる場所や方法を開発者がユーザーに教えることを、2人の巨人が禁じている現状を打破するだろう。そして両社は、自分のプラットフォームに関する非公開情報を利用して、競争上有利なアプリを作ることもできなくなるだろう。

この超党派の法案を提出した上院議員は、コネチカット州選出のRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)氏(民主党)とテネシー州のMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)氏(共和党)、そしてミネソタ州のAmy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏(民主党)だ。クロブシャー氏は上院反トラスト小委員会の議長であり、ブラックバーン氏とブルーメンソール氏はどちらも小委員会のメンバーだ。

「この法律はアプリ経済における強制的で反競争的な壁を打破し、消費者の選択肢を広げ、小さなスタートアップのテクノロジー企業にも勝機を与える」とブルーメンソール氏はいう。ブラックバーン氏は、アプリストアにおけるAppleとGoogleのやり方を「自由で公正な市場機会に対する公然たる侮辱だ」と呼び、クロブシャー上院議員は、彼らの振る舞いが「競争上の深刻な懸念」を惹起しているという。


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この法案は4月の当小委員会が行ったアプリストアと競争に関するヒアリングを継ぐものだ。そのヒアリングでは、議員たちがAppleとGoogle、そしてSpotifyとTileとMatch Groupから聴取を行い、後者3社は、アプリストアの反競争的なポリシーから被害を受けたと主張した。

そのときSpotifyの法務部長Horacio Gutierrez(オラシオ・グティエレス)氏は、この法案に言及してこう述べた。「議会はもっと早くOpen App Markets Actを通過させていただきたい。何もしなければAppleらは自分たちの利益のためにルールの書き換えを続けるでしょう。そして消費者と開発者とデジタル経済に対するさらなる被害が、そこから発生するでしょう」。開発者擁護団体Coalition for App Fairness(アプリの公正のための連合)はこの法案を称賛して、デジタルの市場にイノベーションを起すだろう、と述べている。同連合の事務局長Meghan DiMuzio(メーガン・ディムージオ)氏は「超党派で起案されたOpen App Markets Actは、米国および世界の開発者の競争を窒息させている巨大テクノロジー企業の慣行に責任を負わせる過程の第一歩だ」という。

今後の規制強化を先回りして軽減するかのように、Appleはアプリストアの売上が100万ドル(約1億1000万円)に満たない企業の手数料を30%から15%に下げた。続いてGoogleも、Play Storeにおける開発者の1年間の最初の収益100万ドルまでに対して同じく手数料を15%とした。一部の開発者はこれらの変更を、パブリシティのための見世物だとけなしている。

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世界の二大モバイルOSから自分のソフトウェアを配布しようとすると、高い通行税を取られる。長年開発者は、これを不満としてきた。2020年はこの紛争がエスカレートして、Epic GamesはFortniteのプレイヤーがAppleを経由せずEpicに直接払えるようにして、Appleの決済を迂回した。そこから起こった法廷闘争は、モバイルソフトウェアの世界に重大な意味をもたらした。5月の審理に続いて、年内には評決が下されると予想されている。

今回の新しい法案に対してEpic Gamesの公共政策担当副社長Corie Wright(コーリー・ライト)氏は次のように述べている。「これによって大小さまざまな開発企業が、報復の恐れなく、有害な慣行に挑戦できます。それは法廷闘争でもいいし、単純に声を上げるだけでもいいのです」。

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Appleと違いGoogleは、アプリのGoogle Play Store以外からの「サイドロード」とインストールを認めている。ソースはネットやストレージからだけでなく、他のデバイスからでもよい。しかしEpicのGoogleに対する並行訴訟で開示されたドキュメントによると、Play Storeの作者はサイドローディングがユーザーにとってひどい体験であることを知っており、アプリの公式のマーケットプレイスの利用をデベロッパーに守らせようとするとき、一種の脅しとしてサイドロードに言及している。

そしてそんなときの、Googleからの反論は「公式のアプリストアはアプリを消費者にとって安全かつスムーズにする(トラブルがない)」だ。AppleもGoogleも、App StoreやGoogle Play Storeからモバイルのソフトウェアを販売するのに高額な料金を取っているが、彼らの主張は、公式のチャネルからアプリをすっきりとした形で売ることにより人びとをマルウェアから護り、ソフトウェアの迅速なアップデートにより、ユーザーのプライバシーを破壊するようなセキュリティの心配をパッチできる、というものだ。

Appleの広報担当者も「Appleにおいては、App Storeを維持するにあたっての基本方針は、どのアプリも私たちの厳格なガイドラインを必ず満たしているという確信を多くの人が持ち、自分のプライバシーとセキュリティが保護されている安心感を持ってもらえることだ」と述べている。

元Googleのポリシー担当役員で、今ではテクノロジーに支えられた業界団体Chamber of Progressを率いるAdam Kovacevich(アダム・コバセビッチ)氏は、この新しい法案について、AndroidとiPhoneのオーナーにとっては「一種の挑発だ」という。

「ワシントンまでデモ行進をして議会に、自分たちのスマートフォンをもっと馬鹿にしてくれ、と要求する消費者はいない。だから議会がやるべきは、企業間の大金が絡んでいる紛争に介入することではない」とコバセビッチ氏はいう。

しかし少なくともGoogleの場合は、その反論の中に自分への反論がある。Androidは長年、マルウェアで悪名高い。しかしその悪質なソフトウェアの多くはサイドローディングでデバイスに入り込んだものではないだろう。それはGoogle Play Storeの正面玄関から堂々と入ってきたのだ。

画像クレジット:Chesnot/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)