Medal.tv(企業・サービス)
中東(国・地域)

ゲーマー向け動画クリッピングサービスMedal.tvがRawa.tvを買収、ライブストリーミングに参入

次の記事

AIを使ってチップ製造を大幅にスピードアップするMotivoが約13億円を調達

ゲーマー向けに短い動画のクリッピングサービスとソーシャルネットワークを提供しているMedal.tvは、Rawa.tvを買収してライブストリーミング市場に参入しようとしている。ドバイに拠点を置くRawa.tvはTwitch(ツイッチ)の競合として、これまでに約100万ドル(約1億1000万円)の資金を調達していた。7桁の金額(数億円)をすべて現金で支払うという今回の買収により、Rawa.tvの創業者であるRaya Dadah(ラーヤ・ダダ)氏とPhil Jammal(フィル・ジャマル)氏の2人はMedal.tvに加わり、今後は2つのプラットフォームの統合を進めていく。

関連記事:ゲームの世界のビデオによるソーシャルネットワークMedal.tvが10億円近くを調達

Medal.tvのCEOであるPim de Witte(ピム・デ・ウィッテ)氏は、同社がRawa.tvに関心を持った理由について「中東・北アフリカ地域(MENA)は、ゲーム業界で最も急速に成長している市場の1つですが、いまだにほとんど相手にされていません」と説明する。

「この市場をターゲットにしている企業の多くは、微妙な違いをよく理解しておらず、欧米や極東の既存モデルを再現しようとしますが、それでは失敗します」と、デ・ウィッテ氏はいう。「現地のチームを吸収することで、Medalがこの地域で成功する可能性が高まります。全体的に見て、MENAはライブストリーミングの分野で明確なリーダーがおらず、十分なサービスが提供されていない市場だと我々は考えています。Rawaは、この好機を生かすのに必要な現地市場の専門知識をMedalにもたらしてくれます」と、デ・ウィッテ氏は付け加えた。

Medal.tvのコミュニティは、以前からライブストリーミングの機能を求めており、経営陣もそれを認めていたものの、既製のサービスを使ってこの技術を構築するには、同社にとってコストが高額すぎたと、デ・ウィッテ氏は述べている。

「人々はライブやリアルタイムの体験でつながるようになってきていますが、これまでの我々のプラットフォームにはそれが欠けていました」と、同氏は指摘した。

しかしRawaは、アラブのゲームに特化した初のライブストリーミングプラットフォームとして、独自のライブネットワークストリーミング技術を構築し、現在ではすべての製品に採用している。その技術がMedal.tvにも導入されることになる。

画像クレジット:Medal.tvmedal

両社は買収以前にもすでに提携しており、RawaのユーザーがMedal.tvにゲームクリップをアップロードしたり、RawaのパートナーがMedalの熟練プレイヤーのプログラムに参加したりということが行われていた。今後もRawaは独立したプラットフォームとして運営されていく予定だが、Medalとの統合はより強固なものになるとのこと。現在、Rawaのサービスには約10万人のアクティブユーザーがいる。

今回の買収完了後も、Rawaの従業員たちは共同創業者であるジャマル氏のリーダーシップのもと、同社のライブストリーミングプラットフォームの運営を継続し、Rawaの本社も引き続きドバイに置かれる。とはいえ、新型コロナウイルスの流行拡大が始まって以来、Rawaの従業員はリモートで仕事を続けている。ウイルスの拡散が不透明であるため、今後それが変更になるかどうかは、まだわからない。

Medal.tvは、Rawaに関するさらなる計画について、自社サイトで詳しく説明している。同社は、視聴者の大半が無料で利用する「汎用」ライブストリーミングプラットフォームの構築は目指していないと説明しているが、これは明らかにTwitchに向けて呼びかけたものだろう。その代わりに同社では、クリエイターの作品を定額を支払って視聴したいと思う視聴者とコンテンツとのマッチングに注力していくという。このことは、Twitchのような大規模なプラットフォームがこれまで直面してきた問題の1つである、小規模なストリーマーにとって軌道に乗るのが難しいという問題を解決するものだ。

また、他社が行っているようなゲーム以外のコンテンツへの進出ではなく、ゲームコミュニティへの貢献に焦点を絞っていくとしている。この点でも、この数年間でブログや古いテレビ番組のストリーミングにまで進出してきたTwitchとは異なる。また、ゲームが広範なビデオネットワークのサブカテゴリーに過ぎないYouTube(ユーチューブ)やFacebook Watch(フェイスブック・ウォッチ)とも大きく異なる。

今回の買収前、Medal.tvは2019年にHorizons Ventures(ホライズンズ・ベンチャーズ)が主導したシリーズA投資ラウンドで900万ドル(約9億9000万円)を調達しており、当時はすでに500万人の登録ユーザーと「数十万人」のデイリーアクティブユーザーを抱えるまでに成長していた。現在では毎日20万人以上がMedal.tvでコンテンツを作成し、毎月300万人のユーザーがそのコンテンツをアクティブに視聴しているという。

関連記事
StreamlabsがTwitchクリップをTikTok / Instagram / YouTubeに共有できる新ツール「Crossclip」を発表
「フォートナイト」のゲームプレイがHousepartyを通じて友人たちに配信可能に
bilibiliがゲーム配信プラットフォームTapTapに136億円投資、過熱する中国のゲーム市場でレベルアップ

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Medal.tvRawa.tvライブストリーミング買収中東ゲームゲーム配信ドバイ

画像クレジット:Medal.tv

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)