ソーシャルプラットフォームはタリバンの扱い方で歩調揃わず

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20年間駐留したアフガニスタンから米軍が性急に撤退して、ソーシャルメディアのプラットフォームには、そのポリシーをめぐる複雑な意思決定課題が残された。

Taliban(タリバン)は長年、ソーシャルメディアと親しかったが、ソーシャルメディア企業は、粗暴と抑圧で悪名高い集団が自分をアフガニスタンの合法的な統治主体として世界に示そうとしているとき、新たな疑問に直面するだろう。ソーシャルメディアは今やあらゆる政治的指導者や政府に知られ利用されているが、タリバンが権力を固めて統治に乗り出そうとするときにはなお一層、中心的な役割を演ずることになるだろう。

Facebookは、タリバンが権力を握ったときにありうる報復からユーザーを守るための予防措置を、早くから講じてきた。FacebookのNathaniel Gleicher(ナサニエル・グレイチャー)氏はTwitterで、先に同社が講じた一連の対策を発表した。同社はアフガニスタンの人たちが「ワンクリック」で自分のアカウントをロックしてタイムライン上のポストを隠し、友だち(フレンド)でない人が自分のプロフィールの画像をダウンロードや共有できないようにした。

3 / これらの多くは活動家やジャーナリストや市民社会団体が報告している。さらに私はここに、市民社会活動のエキスパートが提供しているジャーナリストや活動家のための有益なオンラインセキュリティガイドのリンクも入れている。

4 / アフガニスタンにいる人たちが自分のアカウントをすばやくロックできる、ワンクリックツールをローンチした。プロフィールがロックされると、その人のフレンドでない人はプロフィールの写真のダウンロードや共有ができないし、またその人のタイムラインのポストを見ることもできない。

Facebookはまた、アフガニスタンにいる人の友だちのリストを見たり検索したりできないようにした。Instagramではポップアップが出て、アフガニスタンにいるユーザーに、アカウントをすばやくロックダウンする方法を教える。

以前よりタリバンは、同社の危険な団体のルールに反するとしてFacebookの利用を禁じられている。Facebookの広報担当がBBCの取材に対して次のように。「タリバンは米国の法律ではテロリスト団体として制裁対象になっている。私たちは、タリバンによって、あるいはタリバンに代わって維持されているアカウントを削除し、彼らを称賛し支持し代表することも禁じている」。

実際にはアフガンのタリバンは米国務省によって外国のテロリスト組織と指定されていないが、パキスタンを拠点とするタリバンは2010年以来、指定されている。また、外国のテロリスト組織のリストに載っていなくても、アフガニスタンを拠点とするタリバンは、米国が9.11以降行っている経済制裁によると、テロ集団と定義されている。

タリバンはFacebookが保有するWhatsAppからも禁じられているが、このプラットフォームはエンド・ツー・エンドの暗号化を行っているのでユーザーの特定が困難だ。WhatsAppはアフガニスタンでも広く普及しており、近年ではアフガン軍とタリバンの両方がこのチャットアプリを使ってコミュニケーションしている。Facebookは自社のプラットフォーム上でタリバンを許容していないが、しかしタリバンは、その意外なほど急速で摩擦のない権力奪回の後、WhatsAppを使って支配の計画をアフガンの人たちにコミュニケートし、抵抗を諦めさせている。さらにアフガニスタンの人たちは、タリバンがWhatsApp上に作ったヘルプラインの番号に、暴力や犯罪を報告できる。しかしFacebookは直ちに、そのアカウントを閉鎖した

今週初めにFacebookのコンテンツポリシー担当副社長Monika Bickert(モニカ・ビッカート)氏が、国がタリバンを制裁対象のテロリスト集団のリストから外したとしても、Facebookは独自の評価と決定を行なうと述べた。B「実際に彼らが弊社の危険な団体のポリシーに違反しているか否かに関しては、あらためてポリシーの分析を行なう必要がある」とビッカート氏はいう。

Facebookと同じくYouTubeもタリバンを禁じている。YouTubeのその決定は経済制裁の決定に沿っているようであり、タリバンへの米国のアプローチが変われば、並行して変わるかもしれない。

YouTubeの広報はTechCrunchに次のように語った。「YouTubeの方針は適用可能なすべての制裁と通商準拠法に準拠している。したがってアフガンのタリバンが保有し運用していると信じられるアカウントを見つけた場合には、そのアカウントを終結する。さらにまた、弊社のポリシーは暴力をそそのかすコンテンツを禁じている」。

Twitterの上では、タリバンの広報担当であるZabihullah Mujahid(ザビフラ・ムジャヒド)氏が、カブールにおける同団体の活動について頻繁にアップデートを続けている。もう1人のタリバンの代表者であるQari Yousaf Ahmadi(カリ・ユサフ・アフマディ)氏も、気の向くままにTwitterにポストしている。FacebookやYouTubeと違ってTwitterは、同団体を一律に禁ずるのでなく、個々のポストごとにポリシーを適用するつもりだ。

ソーシャルメディア上でタリバンの足跡が今後も増えるようなら、他のプラットフォームも同様の決定を迫られるだろう。TikTokはTechCrunchのコメント要請に応じなかったが、以前NBCに対して、タリバンはテロリスト集団だと思うため、同団体の宣伝になるようなコンテンツは許可しないと述べている。

現在のところタリバンの足跡が目立つのは、いわゆるメジャーなソーシャルネットワークだけだが、しかし無理のない予想としては、現状の反乱が常態に転ずるときには、全世界の注視の下で、Facebookなどに代わる独自のプラットフォームを利用して新しいイメージ作りに努めるだろう。

Twitchは、タリバンが利用したらどうするかという問いには回答しなかったが、同社には関連するポリシーとして「サービス切断行為」というものがあり、それで特定ユーザーを禁じている。それは、Twitchのストリーマーたちの間に虐待やセクハラの報告があったときの対応だ。

新ルールは、暴力的な過激主義やテロなどの深刻な脅威にリンクしているアカウントにも適用される。そういう行為がTwitchの外で行われていても対象になる。この独特の定義により、タリバンを最初から排除することも可能だろう。米国が将来、制裁を外してテロリストの指定を変えても、Twitchでは許されないかもしれない。

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画像クレジット:Photo by WAKIL KOHSAR/AFP via Getty Images)/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)