スマホでできるパーキンソン病などの神経変性疾患のデジタル治療を開発するNeuroglee

次の記事

旅先のアクティビティ予約アプリ「Headout」が新型コロナによる壊滅的影響から再び急成長

シンガポールに本拠を置くNeuroglee Therapeutics(ニューログリー・セラピューティクス)は、神経変性疾患患者のためのデジタル治療処方を開発しているスタートアップ企業だ。同社はシリーズAの資金調達ラウンドを実施し、1000万ドル(約11億円)を調達したと発表した。この資金は、バーチャルな神経学クリニックの設立や、Neurogleeのボストンへの移転をサポートするために使用される。今回の投資ラウンドはOpenspace Ventures(オープンスペース・ベンチャーズ)とEDBIが主導し、Mundipharma(ムンディファーマ)の前CEOであるRamen Singh(ラマン・シン)氏、Biofourmis(バイオフォーミス)の共同設立者であるKuldeep Singh Rajput(カルディープ・シン・ラジプート)氏とWendou Liu(ウェンドウ・リウ)氏、そして2020年Neurogleeの前ラウンドを主導した日本の製薬会社であるエーザイが参加した。

創業者兼CEOのAniket Singh Rajput(アニケ・シン・ラジュプット)氏は、同社がボストンへ移転する理由について、メールでTechCrunchに次のように語った。「ボストンは世界最大のデジタルヘルスハブの1つです。アルツハイマー病のような治療が困難な神経変性疾患に関連する軽度認知障害を治療するための最初のソリューションを開発することに専念している企業として、ボストンはそのための戦略的支援を私たちに提供してくれると信じています」。

Neurogleeは現在、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)と共同で、Neuroglee Connect(ニューログリー・コネクト)と呼ばれる新しいプラットフォームを開発している。これは、神経変性疾患の可能性がある軽度認知障害者を対象にメイヨー・クリニックが実施している10日間の対面式プログラム「HABIT(Health Action to Benefit Independence and Thinking、自立と思考のための健康行動)」をベースに、Neurogleeの技術でその規模を拡大し、患者や介護者が自宅で利用できるようにするものだ。Neuroglee Connectのユーザーは、24時間体制で対応するヘルスナビゲーターや、評価や干渉を行う臨床治療チームからも、サービスを受けられるようになる。

Neurogleeの製品パイプラインには、パーキンソン病や脳卒中のデジタル治療処方も含まれている。

Neurogleeは、2020年12月に前回の資金調達を発表して以来、アルツハイマー病向けのデジタル治療処方箋ソフトウェアである「NG-001」の製品開発に成功するなどのマイルストーンを達成してきた。現在はNG-001がFDA(連邦食品医薬品局)からBreakthrough Designation(画期的新薬指定)を獲得するための概念実証試験に着手したところだと、ラジュプット氏は語っている。

Neurogleeのアダプティブラーニング(適応学習)テクノロジーは、患者の認知機能、気分、行動に関連するバイオマーカーと機械学習を利用して、各患者にパーソナライズした治療プランを自動的に作成する。患者は自宅から、スマートフォンやタブレットを介してこのソフトウェアを利用できる。

「例えば、患者の指が動く速度、ゲームやタスクを完了するまでの時間、デバイスのカメラで確認した患者の顔の表情などに基づいて、タスクやゲームの数や種類が調整されます」と、ラジュプット氏は語る。「このソリューションには、患者の過去の映像を使ってポジティブな記憶や感情を呼び起こし、認知機能を向上させる回想療法も組み込まれています」。

画像クレジット:Neuroglee

原文へ

(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)