自動運転用にレーダーの性能をソフトウェアで向上させるOculiiにGMが数億円規模の出資

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レーダーセンサーの空間分解能を最大100倍に向上させることを目標としているソフトウェア開発スタートアップ企業のOculii(オキュライ)は、General Motors(ゼネラル・モーターズ)から新たに投資を獲得した。両社によるとその額は数百万ドル(数億円)に上るという。数カ月前にOculiiは、5500万ドル(約60億5000万円)のシリーズB資金調達を完了させたばかりだ。

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OculiiとGMは「しばらく前から」協力関係にあったと、CEOのSteven Hong(スティーヴン・ホン)氏はTechCrunchによる最近のインタビューで語っている。GMがOculiiのソフトウェアをどのように使用するつもりなのかということについて、同氏は具体的に明かそうとしなかったものの、GMのハンズフリー先進運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」の機能を強化するために使用される可能性が高い。Oculiiは他にもいくつかの自動車メーカーと協力しており、その中の一社からも出資を受けていると、同氏は付け加えた。

「GMのような企業が、これはすばらしい技術だ、これは将来的に使いたいと言ってくれれば、サプライチェーン全体が注目し、そのソリューションや技術を採用するために、より密接に協力してくれるようになります。それが自動車メーカーに販売されるというわけです」と、ホン氏は語る。

Oculiiは顧客の自動車メーカーのためにハードウェアを製造するつもりはない(ただし、協業しているロボット企業のためにはセンサーを製造していると、同社の広報担当者は述べている)。その代わり、Oculiiはレーダーを製造している企業に、ソフトウェアのライセンスを提供したいと考えている。ホン氏によれば、低価格で市販されているレーダーセンサー(自動運転用に設計されたものではなく、緊急ブレーキや駐車支援などの限定されたシナリオ用に設計されたセンサー)に、同社のAIソフトウェアを使えば、より自動運転的な機能を実現させることができるというのが、Oculiiの主張だという。

「拡張性の高いものを提供する方法はソフトウェアによるものだと、私たちは強く確信しています。なぜなら、ソフトウェアはデータによって根本的に改善できるからです」と、ホン氏はいう。「ハードウェアの世代が新しくなれば、性能がより向上したハードウェアに合わせてソフトウェアは根本的に改善されます。また、ソフトウェアは基本的に、時間が経てばハードウェアよりもずっと早く、安価になっていきます」。

今回のニュースは、レーダーにとって間違いなく好材料になるだろう。レーダーは画像処理に限界があるため、一般的に補助的に使用されるセンサーだ。しかし、LiDARよりもはるかに安価に売られているレーダーの性能を、Oculiiが実際に向上させることができれば、自動車メーカーにとっては大幅なコスト削減につながる可能性がある。

世界で最も多くの電気自動車を販売しているTesla(テスラ)は最近、その先進運転支援システムからレーダーセンサーを外し、カメラと強力な車載コンピュータによるニューラルネットワークを使った「ピュアビジョン」と呼ばれるアプローチを採用することにした。しかしホン氏は、テスラが廃止したレーダーは非常に解像度が低く「既存のパイプラインに何も追加するものではない」と述べている。

しかし、技術が進歩すれば、テスラも必ずしもレーダーを排除しようとはしないだろうと、ホン氏は考えている。「基本的に、これらのセンサーはそれぞれがセーフティケースを改善し、それによって99.99999%の信頼性に近づくことができます。結局のところ、それが最も重要なことなのです。信頼性を、できるだけ多くの9が並ぶ確率まで近づけることです」。

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画像クレジット:Oculii

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)