スマホでロボットを遠隔操作し農作業に参加できるRaraaSをH2LとPwC財団が共同開発

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「オーディオビジュアルに次ぐ新世代の感覚共有技術BodySharingの研究開発」を進めるH2Lは9月15日、環境社会問題に取り組む団体への助成を行う公益財団法人PwC財団と共同で、スマートフォンで遠隔地のロボットを操作して農作業に参加できるシステム「RaraaS」(ララース)を開発した。RaraaSは、Remote Agricultural Robot as a Service(遠隔農業ロボットサービス)の略称という。

RaraaSは、農業従事者の減少、都市一極集中型の社会構造、障害者の社会参画機会の制限と低賃金という3つの社会課題の解決を目指して開発された。H2Lは、筋肉の動きを検出する独自の筋変位センサーで人の動作や感覚をデータ化して、それをバーチャルアバター、ロボット、他の人に伝えるという「BodySharing」(ボディシェアリング)技術を開発している。RaraaSは、それを使って農作業を支援しようという試みだ。細かな指の動きや力の入れ具合などがロボットに伝えられ、ロボットからは果実の重さをフィードバックするといったシステムの実現を目指している。

7月から、RaraaSを使った「遠隔ロボットdeいちご摘み」という体験会が実施されている。現在は開発関係者のみで行われているが、10月から12月までは一般から募集した参加者が体験できるようになる予定。申し込み方法などの詳細はまだ発表されていないが、所要時間は15分程度で、Zoomに接続できるPCとiOSを利用できる15歳以上の人が対象となるとのことだ。体験者には、体験写真、遠隔ロボットの操作レポートなどが贈られるとのこと。

2012年7月設立のH2Lは、肉の膨らみから手の動作を検出する技術と、多電極の電気刺激を腕に与えて触感を伝える技術に強みを持つスタートアップ。これらの技術と、アバター合成技術、遠隔操作ロボットなどを組み合わせ、BodySharingを実現している。

PwC財団は、PwC Japanグループに属するPwCコンサルティング合同会社が設立。「人」と「環境」に関する社会課題に取り組む団体を支援するために2020年5月1日に設立され、2021年5月1日に公益財団法人へ移行した。教育やアップスキリング(スキルの向上)、個性や多様性(ダイバーシティ&インクルージョン。D&I)の支援、環境問題への対策など、社会における重要な課題解決に取り組む団体を対象に、公募による助成金交付を中心とした活動を行っている。