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中国のロボット企業2社がそれぞれ約220億円の大型ラウンド

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このちょっとした地域内の同時性はどうだろう。今週、中国のロボット企業2社が2億ドル(約220億円)の資金調達に成功した。いずれも、我々がたまに目にする、活気に満ちたエコシステムの一部だ。中国のロボット分野には非常に多くのプレイヤーが存在するため、当地で起こっているイノベーションを追跡するのは難しいが、こうした大規模な資金調達は確実に波紋を呼ぶ。

新型コロナウイルスのパンデミックは、中国にとって大きな加速のタイミングになると予想されている。世界のサプライチェーンを停滞させた大規模な製造不足が背景にある。だが、今週の大きな発表2件は、製造業の枠を超えた自動化の導入を示唆するものだ。

画像クレジット:Hai Robotics

Hai Robotics(ハイロボティクス)は、シリーズCとDを合わせて2億ドル(約220億円)の資金調達を発表し、大きな話題となった。同社は深圳という中国の製造業の中心地に拠点を置く。得意とする分野は倉庫・荷役用ロボットだ。豪州の大手オンライン書籍販売会社であるBooktopiaとの取引を含め、すでに30カ国で展開しており、海外での実績も十分にある。

今回のラウンドでは、5YキャピタルとCapital Todayが、それぞれシリーズCとDを担当した。また、Sequoia Capital China、Source Code Capital、VMS、Walden International、Scheme Capitalが参加した。今回調達した資金は、国際的な事業拡大と中国でのプレゼンス向上に使用される見込みだ。

Keenon Robotics(キーノンロボティクス)の2億ドル(約220億円)のシリーズDは、あまり注意を引かなかった。このラウンドは、 SoftBank Vision Fund 2がリードし、CICC ALPHAとProsperity7 Venturesが参加した。Keenonはサービスロボットを専門としており、カリフォルニア州に本社を置くBear Robotsのロボウェイターに似ている。この分野に絞ってもかなりの規模の産業だ。同社はすでに、ホテルや病院などで使用実績を積み上げている。

画像クレジット:Keenon Robotics

Keenonによると、同社のロボットは米国、欧州、韓国、シンガポールで導入されており、今回調達した資金でその実績をさらに拡大する。

「ロボティクス・ソリューションは、退屈な反復するワークフローを支援することで、サービス業界全体に大きな影響を与えることができると考えています」とソフトバンクの松井健太郎氏はプレスリリースで述べた。「AIと機械学習を使用し、高度な製造能力と組み合わせて、Keenonは中国および世界のレストラン、ホテル、病院の生産性向上を支援する革新的なロボットを開発しています」。

Locus RoboticsがWaypoint Roboticsを買収(画像クレジット:Locus Robotics)

潤沢な資金を持つLocus Robotics(ローカス・ロボティクス)は、Waypoint Robotics(ウェイポイント・ロボティクス)の買収に合意した。Waypointは、Locusとほぼ同じカテゴリーの倉庫を運営している。Waypointの主力製品は、300ポンド(約136キログラム)の荷物まで運搬可能な自律型全方向ロボット「Vector」だ。

「Locusは、生産性の高い革新的なAMR(自律走行物流ロボット)技術を開発した実績のあるリーダーであり、倉庫の全体的な最適化を求める顧客のニーズを効率的に解決します」とLocusのCEOであるRick Faulk(リック・フォールク)氏はプレスリリースで述べた。「世界中の物流現場で取扱量増加と労働力不足が続くなか、Waypoint Roboticsの買収は、そうした世界的なニーズに数年ではなくわずか数カ月で対応する能力を高め、倉庫のデジタルトランスフォーメーションを推進するのに役立ちます」。

Locusは2021年2月、1億5000万ドル(約165億円)のシリーズEを発表し、今月にはさらに5000万ドル(約55億円)を調達した。同社は、Amazon(アマゾン)に対抗できる強固なフルフィルメントエコシステムの構築を目指している。

現代自動車によるBoston Dynamicsの買収の最初の成果がついに出ようとしている。「Factory Safety Service Robot」と名づけられたこのロボットは、工場を巡回するために設計された特注の4脚ロボットで、まず現代自動車が所有するソウルの起亜の工場で試験的に導入された。このロボットにはLiDARとサーモグラフィーが搭載されており、自律的に工場内を巡回することも、ブラウザを使って遠隔操作することも可能だ。

関連記事:ボストン・ダイナミクスを買収した現代自動車が4足歩行ロボットを工場の安全監視に活用

画像クレジット:NVIDIA

NVIDIAと(エヌビディア)Open Robotics(オープンロボティクス)は今週、2社にとって有益となりそうな提携を発表した。この契約は、NVIDIAのJetson開発プラットフォームとOpen RoboticsのROS 2ソフトウェアとの連携が基本的な目的だ。この取引は、NVIDIAの知覚技術を利用するロボット開発者の開発期間を短縮する狙いがある。

「多くのROS(ロボット・オペレーティングシステム)の開発者が、ホストのCPUの負荷を軽減するために設計され、追加の計算機能を備えたハードウェアプラットフォームを活用するようになりました。ROSはこうした高度なハードウェアリソースを効率的に活用しやすくなるように進化しています」とOpen RoboticsのCEOであるBrian Gerkey(ブライアン・ガーキー)氏はプレスリリースで述べた。「NVIDIAのようなアクセラレーション・コンピューティングのリーダーと、同社のAIとロボット工学のイノベーションにおける豊富な経験は、ROSコミュニティ全体に大きな利益をもたらします」。

そして、ハッピーDisruptウィーク!デッキメンテナンスロボットのRoboDeckにエールを送りたい。同社は今週のStartup Battlefieldに「ただのルンバではなく、デッキの塗り直し用」(グレッグ氏のコメントを引用)とうたう製品で参加している。このシステムはシーリング剤を塗布し、内蔵されたマッピング技術によりデッキから落ちないよう、端の位置を判別する。

画像クレジット:RoboDeck

同社には現在、1回の充電で500平方フィート(約46平方メートル)のデッキを処理できるプロトタイプがある。このデバイスをRaaSレンタルモデルとして市場に投入する。同社はこれまでに50万ドル(約5500万円)を調達しており、そのほとんどはSOSVからの資金提供によるものだ。

画像クレジット:Hai Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi