エネルギー / エネルギー産業(用語)

【コラム】MPG(1ガロンあたり走行マイル)が電気自動車でも重要な理由

次の記事

ボールウェーブ・東北大学・豊田合成が空気中の新型コロナウイルスを1分以内に検出成功、高速ウイルスセンサー実現へ

もし環境保護が単なるライフスタイルの選択肢の1つなら、自動車メーカーと彼らが作る最新電動自動車は役目を果たしている。Tesla(テスラ)のPlaid(プレイド)は性能が自慢だ。Leaf(リーフ)やPrius(プリウス)、Volt(ボルト)は謙虚さを説き、勧める。そしてFord(フォード)は電動Mustang(マスタング)とF-150を発売して力を見せつける。

しかし、もし消費者の選択がもっとグリーンな未来に向かっているなら、見せびらかしよりもエネルギー効率を重視するのなら、彼らには賢明な購入判断をできる能力が必要になる。そのために、昔ながらのガソリン時代の測定基準が役に立つ。MPG(ガロン当たりのマイル数)のコンセプトだ。

電気自動車(EV)時代になり、クルマの購入はMPGの高いクルマと安いガソリンを探すだけの簡単なものではなくなった。電気のコストはややこしい。価格と効率情報は見つけづらく、理解するのはもっと困難だ。そして最終的には、自分で計算しなくてはならない。

そのためにまず電気エネルギー単位を知る必要がある。「kWh」すなわち「キロワット時」、どちらかというとエンジニアリングの教科書の方が似合う単語だ。コストと炭素排出量を知るために、ドライバーはkWhをドルとマイルに変換する難問を解く必要がある。

それをしないのであれば、あなたは自動車メーカーがあなたと環境のために正しいことをすると信じることになる。

政府はこの問題を先導することができる。実際やってきたし、現在もやっている。ガソリンスタンドはガロン当たりの価格と給油したガロン数と総金額を表示することをが長年義務付けられている。クルマのEPA燃費(ダッシュボードとすべての新車のMPGステッカーに表示されている)はすべてを結びつけてくれる。

つまり、たぶん我々には、EV時代の共通単位がすでにある。コスト、効率、大気汚染について同じ土俵で比較できる親しみやすくて具体的なエネルギー単位だ。

わが同胞なる米国民のみなさん、もう一度、ガロンに「こんにちは」と言おう。たとえガソリン動力車を置き去りにしたとしても、そのエネルギー単位は使い続けることができる。それは具体的であり、ガソリンに含まれているエネルギーで使えるなら、電気にも使えるようにできる。

環境保護庁によれば、1ガロンの無鉛ガソリンにはおよそ34kWhのエネルギーが含まれている。それがわかれば、エネルギーの購入価格がいくらで、それがどこまで遠くへ自分を運んでくれるのかを簡単に計算できる。ガロンは他の電気使用量を理解するためにも役立つので、家庭のエネルギーコストを自動車のエネルギーコストと同列に比較できるようになる。

8月の光熱費をガロン化した結果、次のことがわかった。

  • わが家は56ガロン(212L/1888kWh)分の電気を使用した。
  • わが家の平均電気料金は6.34ドル/ガロン(185円/L)である。
  • Teslaの充電ステーションで、私は8.43ドル/ガロン(25セント[28円]/kWh)払った。

政府はすでに、電気自動車とハイブリッド車のMPG相当値を公開している。MPGを使うことで電気自動車が効率的であの高いガロン当たりコストを埋め合わせていることがはっきりする。中には100 MPG(42.5 km/L)を超えるものもある。

すでにMPGは自動車購入以外にも役立っている。ニューヨーク市のMPG基準は、タクシー燃費を2009年の2倍にすることを義務付けている(さらに同市は、タクシーライセンスの一部をハイブリッド車のために確保している)。Uber(ウーバー)とLyft(リフト)はグリーン政策を打ち出したが、規制状態の緩い彼らはMPG標準を回避することが可能だ。

スマートなエネルギーショッピングだけでは気候変動を解決できない。エネルギー監視団体も、業界の炭素排出への影響を、発電とEV関連ハードウェア生産の両面で監視する必要がある。

しかし、他の条件が同じなら、使用エネルギーが少ないことは大気汚染が少ないことを意味する。そして、共通する単位は、車だけでなはく、はるかに多くを網羅するスマートな選択肢へと我々を誘ってくれる。安いときに電気を貯めるためにバッテリーを買うべきか?ソーラーパネルに意味はあるのか? 断熱や効率のよい暖房器具はどうなのか?

MPGの高い自動車と、1ガロンがとても役立つ住宅。合わせれば確かなライフスタイルの選択肢になるだろう。

編集部注:本稿の執筆者Tom Rutledge(トム・ルトレッジ)氏は、タクシーとライドシェア業界における都市主導のイノベーション実現に特化したスタートアップWapanda(ワパンダ)の共同ファウンダー。

画像クレジット:Image Source / Getty Images

原文へ

(文:Tom Rutledge、翻訳:Nob Takahashi / facebook