デジタルセラピューティクス / DTx(用語)

精神疾患向けVRデジタル治療を手がけるBiPSEEが2.5億円調達、VRプロダクト開発や臨床試験に注力

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精神疾患向けにVRを用いた新たな治療手法を開発しているBiPSEEは10月7日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による2億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のBeyond Next Ventures、またANRI、Scrum Ventures。調達した資金により、うつ病患者向けのVRデジタル治療薬の開発および臨床試験を進め、VRデジタル治療の実現を目指す。

BiPSEEは、2017年に心療内科医が設立したMedTechスタートアップ。VR技術と医学的エビデンスに基づいた、精神疾患治療向け「VRデジタル治療薬」の研究・開発から製造販売までを手がけている。

このVRデジタル治療薬は、デジタルツールを用いて疾患を治療する「医療機器プログラム」(SaMD。DTxとも呼ばれる)の一種。既存の医薬品や医療機器と異なり、VRを用いることで患者の心理に対して働きかける治療アプローチを通じ、従来治療しきれなかった多くの疾患を治せる可能性を持った革新的な治療ツールという。とりわけ精神疾患は、他疾病と比べても薬物療法など既存の治療法のみでは奏功しにくい領域とされており、新しい治療方法が求められているとしている。

VRデジタル治療薬は、以下の点で特徴的という。
・患者の能動的な治療への参加を実現
・治療側の力量により治療効果や経過の差異が生じるメンタル領域において、世界中いつでも・どこからでも均一に質の高い医療サービスへのアクセスが可能
・医薬品や医療機器と比べて、高い費用対効果を実現できる

BiPSEEは、ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう」という症状に着目。反すうは治療対象としてあまり注目されてこなかったが、うつ病をはじめとする疾患横断的な症状であり、増悪の要因ともなっていることが分かっているという。BiPSEEのVRデジタル治療薬は、VR空間での没入やインタラクションにより、反すうを抑制するために必要な自己肯定感を醸成することを可能とする。

現在、反すうを抱えるうつ病患者向けのVRデジタル治療薬について、高知大学医学部と共同研究を行い、同病院で臨床試験を進めるとしている。