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レトロゲーム用OSの決定版を目指すAnalogue、「ゲームの大図書館」でもありプレイもできるAnalogueOSを開発

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Analogue(アナログ)の発売が待ち望まれるレトロゲーム機Pocket(ポケット)は、洗練されたデザインを持ち膨大な数のクラシックゲームをプレイできるだけではない製品となるだろう。これは、創業者のChris Taber(クリス・テーバー)氏が「ビデオゲームのアレクサンドリア図書館」と呼ぶ、AnalogueOS(アナログOS)を搭載した最初のデバイスとなる。

実際のところ、彼はこれを「偉大なるFxxxingアレクサンドリア図書館」と呼んでいる。これで彼がどれほど興奮しているかがわかるだろう。レトロゲームというのは不思議な世界だ、情報は山のようにあるが、網羅的な情報源は少なく、その情報の多くもはっきり言ってレトロなものばかりだ。

何が欲しいかによるが、そうした情報は特定のゲームやシステムに特化したWiki(ウィキ)、昔の8ビットゲームの開発者がよく利用していた掲示板、ROMの改造に使われるヘキサファイル、さらには絶版になった本などに散らばっている。1つのゲームの歴史や複数のバージョンはもちろん、マニュアルやレビュー、技術資料などの失われやすい情報も多くの場所に散らばっている。

AnalogueOSの目標は、これらの情報を可能な限り多く、ゲームそのものに対応つけて整理し表示することだ。

テーバー氏は「AnalogueOSは、全ビデオゲームの歴史を探求し、称賛することを目的としています。メディア全体をプレイし、体験するための決定的かつ学術的なオペレーティングシステムとして設計されているのです。私たちのビジョンは、トータルで絶対的なものです。もちろんAnalogueOSは、将来のAnalogueシステムすべてに搭載されます」という。

このOSを使うことは、ゲームをプレイしたり記録するための、柔軟で拡張性のある方法となるだろう。ゲームボーイ、ゲームギア、Atari Lynx向けのゲームを何十本も持っているなら、それをそのまま差し込んで遊ぶことができる。まあPocketの第一の目的はショーケースのようなものなので、それらのゲームをプレイする最も良い方法とはいえないだろう(とはいえ、ほぼ確実にそうなると思うが)。

画像クレジット:Analogue

各ゲームのボックスアート(パッケージアート)、スクリーンショット、パブリッシャーなどのメタデータが、すべて整理されている情報で整っているので、ある日ふと「Sunsoft(サンソフト)のどんなゲームを持っていたかな?」と思ったときにも、すぐにそれらを閲覧することができる。あるいは、「Blaster Master:Enemy Below(メタファイトEX)」のような特定のタイトルに興味がある場合には、そのタイトルに関するデータ、リビジョンや変更点、続編や前編、ガイドやスクリーンショットなどを閲覧することができる。

データベースはまだ構築中なので、すぐにすべてのデータが利用できるわけではないが、テーバー氏は、Analogueがこだわりを持っている企業であることから、ユーザーが望む限りのデータを統合して行くことを意図していると明言している。これらのデータはほとんどがテキストであるため、最小限のストレージコストで簡単にOSに直接統合することができる。「ゲームのカートリッジを挿せば、それが何のゲームなのかを正確に読み取ることができます」と彼はいう。

特定の地域向けや特定のリビジョン(大会で使用されたレアなカートリッジや、違法な配布物、プロモーションなど)のゲームを探しているコレクターは、いまやその情報を数秒で確認できるようになる。ガレージセールで何かおもしろいものを見つけたら?Pocketに挿し込んで、それがどのようなバージョンのゲームなのかを調べてみよう。ありふれたバージョンなのか、それとも超レアものなのか?

より容量の多いボックスアートは、開発者側がすでに取り組んでいるセットからユーザー自身がダウンロードすることができる。レトロゲームサークルに足を踏み込んだ人なら、自分のライブラリーをスキャンして、必要な画像だけを取り出すというような軽作業は、すでにお馴染みのことだろう(著作権の問題もあるので、会社側も提供する際には注意が必要だ)。

画像クレジット:Analogue

Pocketはカートリッジゲーム利用時の状態保存が可能だ。これは、オリジナルのハードウェアやソフトウェアに限りなく近い状態でゲームを楽しみたいユーザーにとって、大きなメリットとなるだろう。Analogueは、ソフトウェアベースのエミュレーションではなく、オリジナルのチップを模したFPGAベースのコアを利用することを公言しているが、そうしたアーキテクチャの下で、ゲームとハードウェアの状態をロードできるようにするのは間違いなく面倒なプロセスだ。

このOSはプレイ内容を時間単位日数単位で記録する、またユーザーは自分の「プレイリスト」を作って他の人と共有することもできる(もちろん相手がゲームを持っていればの話だが)。また、ボタンの再割当てや、Bluetooth(Bluetooth)コントローラーへの対応などの利便性の向上にも配慮している。

このようにAnalogueは、そのハードウェアを(ハイビジョンテレビなど、旧来のゲーム機が対応していない)現代のハードウェアでレトロゲームをプレイするための最良の方法にしたいというだけでなく、ゲーム自体の歴史やコレクターデータの完全な資料となるようにしたいと考えているのだ。これは野心的な試みだ。すでにそのようなリソースはあると指摘する人もいるかもしれないが、それらは散らばっていて断片的なものだ。もしAnalogueがこうした情報を1つの場所に統合し、プレイヤーがいる場所(ゲームの前)に提供することができたなら、同社はレトロゲームの世界で贅沢品から脱して必携アイテムへと転身することができるだろう。

画像クレジット:Analogue

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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)