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Crossing Minds(企業)

ウェブサイトに個人識別情報を利用しないレコメンデーション技術を企業に提供するCrossing Minds

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Crossing Mindsの創業者。左から、セバスチアン・スラン氏、アレクサンドル・ロビケット氏、エミール・コンタル氏(画像クレジット:Crossing Minds)

私たちが見るメディアやショッピングの世界ではたいてい下の方に小さな枠があり、そこには似ている、あるいは他の人が利用したコンテンツや商品が表示される。

消費者はウェブサイトがもっとパーソナライズされることを期待している。ということは、ウェブサイトはあなたが見たいものを見せるために、あなたを知る必要がある。

Crossing Mindsは、CEOのAlexandre Robicquet(アレクサンドル・ロビケット)氏がEmile Contal(エミール・コンタル)氏およびGoogle Xの創業者でスタンフォード大教授のSebastian Thrun(セバスチアン・スラン)氏とともに始めた会社で、2018年にTechCrunchが開催したDisrupt Battlefieldでコンシューマ向けアプリのHaiを発表した。このアプリはユーザーに本、音楽、番組、ビデオゲーム、レストランなどのエンターテインメントを提案するものだった。

2年間でアクティブユーザーは数千人、そしていくつかの大企業を顧客として獲得したが、提案に課題があったため中断してB2Bにピボットした。

ロビケット氏はTechCrunchに対し「パーソナライズはあらゆるところにあり、今後進化する検索もフィルタリングされるようになるでしょう。1つの企業向けのレコメンデーションエンジンやAPIを作るのではなく、多くの企業にスケールして提供できるものを作ることが重要です」と語った。

同氏は、消費者の最大60%がサイトの新規ユーザーであるため、ゼロからの出発である「コールドスタート」が問題になることがあるという。さらに同氏は、サードパーティのcookieの価値が下がり、プライバシー関連の法律が厳しくなり、リアルタイムで現在と過去のウェブセッションをリンクするのが難しいといった障壁もあり、サイトの訪問者を知る方法はほとんどないと補足した。

Crossing Mindsはこうした課題に取り組み、オンサイトのアクションをもとに提案をする方法を開発した。これにより個人を識別する情報を使わずに、顧客は企業を簡単に見つけて関わりを持つことができる。

Crossing Mindsは同社のデータベースと関連づけ、KPIに基づいておよそ2週間でモデルを構築できる。このSaaSモデルはレコメンデーションごとに課金される。

米国時間10月18日にCrossing MindsはシリーズAで1000万ドル(約11億4500万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはRadical Venturesで、これまで投資していたIndex Ventures、Partech、Lerer Hippeauも参加した。ロビケット氏は今回の資金をエンジニアリングチーム、製品開発、カスタマーベースに投入し、リーダーシップチームを充実させる考えだ。

Crossing MindsはPenguin Random House、Danone、Inkboxなどにサービスを提供している。ロビケット氏は、利用企業は売上が平均で93%、クリックスルー率は120%増加したと推計している。

Radical Ventures共同創業者のTomi Poutanen(トミ・ポータネン)氏は、Inkboxなどの企業は「Crossing Mindsと連携したときにルビコン川を渡る」ことができたという。同氏は、コンバージョン、リピート販売、チャーンの指標によって経済的な手法が成長すると述べた。

例えばInkboxは2月にCrossing Mindsを利用し始め、Crossing Mindsによればメールのクリックスルー率が250%増、カート追加が250%増、新規ユーザーのオンサイトのコンバージョンが68.6%増の結果がすでに見られるという。

ポータネン氏は「アレクサンドル、エミール、セバスチアンはユニークなものを持っています。数学とディープテックに関する経歴や学位の基盤は、他にはなかなかありません。彼らはプロダクトの価値とその使い方を深く理解しています」と述べた。

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(文:Christine Hall、翻訳:Kaori Koyama)