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米政府が中国とロシアへのハッキングツール販売を禁止

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米国商務省は、人権侵害をはじめとする悪質なサイバー活動を抑制するため、権威主義政府へのハッキングツールの輸出を禁止すると発表した。

ワシントンポスト紙が最初に報じ、その後商務省が確認したこの規則は、国家安全保障上の理由から、中国やロシアなどの懸念国へのハッキングソフトウェアや機器の輸出や転売を、同省産業安全保障局(BIS)のライセンスなしに事実上禁止するものである。

これは、バイデン政権が3月に中国とロシアへの国家安全保障上の強硬姿勢を継続するために、先進半導体や情報セキュリティのための暗号化を用いたソフトウェアなど、米国の技術の輸出を制限したことを受けた動きだ。

今回の制裁は90日後に発効する予定で、イスラエルのNSOグループが開発したスパイウェア「Pegasus」などのソフトウェアが対象となる。このスパイウェアは、いくつかの権威主義的な政府が、ジャーナリスト、活動家、政治家、企業経営者など、最も声高な批判者の携帯電話をハッキングするために使用してきた

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一方、サイバー防衛を目的としたソフトウェアについては、米国のサイバーセキュリティ研究者が海外の研究者と共同研究を行ったり、ソフトウェアメーカーに欠陥を開示したりすることを妨げるものではないため、輸出許可が免除される。BISが2015年に初めてこの規則案を発表した際には、300件近くのコメントが寄せられ、正当なサイバーセキュリティの研究やインシデント対応活動に与える影響について「大きな懸念」が示された。

この規則により、米国は、軍事的安全保障・デュアルユース(軍民両用)技術に関する自主的な輸出管理方針を定めたワッセナー・アレンジメント(Wassenaar Arrangement)に加盟する欧州の42カ国および同盟国と足並みを揃えることになる。

Gina M. Raimondo(ジーナ・M・ライモンド)商務長官は次のように述べている。「米国は、多国間パートナーと協力して、サイバーセキュリティや人権を脅かす悪意のある活動に使用される可能性のある特定の技術の拡散を抑止することに尽力しています。特定のサイバーセキュリティ品目に輸出規制を課す商務省の暫定最終規則は、悪意のあるサイバーアクターから米国の国家安全保障を守ると同時に、合法的なサイバーセキュリティ活動を確保する、適切に調整されたアプローチです」。

2020年、ロシアに起因するSolarWindsハッキングの最初の被害者の1つとなった商務省は、この規則について45日間、一般からのコメントを募集する。同省はコンプライアンスの潜在的なコストと、合法的なサイバーセキュリティ活動に与えうる影響についてのコメントを求めている。規則が最終的なものとなるまでには、それからさらに45日間の修正期間が設けられている。

画像クレジット:Jack Guez / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)