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中国が独占するEV用電池の鉄系正極材料製造を目指すMitra Chem

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Mitra Chem(ミトラ・ケム)の名称で知られるMitra Future Technologies(ミトラ・フューチャー・テクノロジーズ)は、億万長者の投資家Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が創立したSocial Capital Holdings(ソーシャル・キャピタル・ホールディングス)が主導する2000万ドル(約23億円)のシリーズA資金調達を実施した。このスタートアップ企業は、中国以外向けの鉄系正極材料を製造することで、現在、中国が独占している北米のバッテリーサプライチェーン業界を活性化することを目指している。

今回のラウンドには、台湾の億万長者Richard Tsai(リチャード・ツァイ)氏、Fontinalis Partners(フォンティナリス・パートナーズ)、Integrated Energy Materials(インテグレーテッド・エナジー・マテリアルズ)、Earthshot Ventures(アースショット・ベンチャーズ)も参加した。また、かつてTesla(テスラ)でグローバル・サプライ・マネジメントを担当しており、現在はロケット打ち上げ企業のAstra(アストラ)でサプライチェーン担当VPを務めるWill Drewer(ウィル・ドリューリー)氏が、パリハピティヤ氏とともにこのスタートアップの取締役会に加わることになった。

鉄系電池は、特に中国の企業が独占的に製造できる特許を取得していたため、もっぱら中国で主流になっており、欧米ではニッケル系電池が普及していた。しかし、これらの特許が間もなく切れることから、鉄系電池は自動車メーカーにとってますます人気の高い選択肢となりつつある。Tesla(テスラ)は最近、安価な鉄系電池を、全世界向けのModel 3(モデル3)とModel Y(モデルY)に標準搭載することを認めた

自動車メーカーで鉄系電池の採用が進む一方で、問題となっているのが中国の優位性だ。「これは大きなアキレス腱です」と、Mitra Chemの共同設立者兼CEOであるVivas Kumar(ヴィヴァス・クマール)氏は、最近のTechCrunchによるインタビューで語っている。

このサプライチェーンにおけるギャップを埋めるために、同社は中国以外のバッテリーに適用できる鉄系正極材料の製造を計画している。テスラでバッテリーサプライチェーン担当チームに所属していたクマール氏によると、鉄系材料を採用するという決定は、単に地政学的な問題のみならず、特に自動車メーカーが、消費者の幅広いニーズを満たすために、さまざまなモデルのEVを発売することによって、EV用バッテリーに対する市場の需要が高まっていることに応じるためだという。

「バッテリーが自動車に使われている部品の中で最大のものであり、電気自動車の性能を決定する部分でもあることを考えれば、用途別の差別化が必要になるのは時間の問題でした。現在、市場で使用されている単一サイズですべてに合わせる正極材料のソリューションだけでは対応できなくなります」と、クマール氏はいう。

特に、General Motors(ゼネラルモーターズ)やFord(フォード)を含む北米の自動車メーカーが、電池メーカーと提携して電池セル工場を米国内に構えることを次々と発表する中で、米国に垂直的なサプライチェーンのハブを作ることは、ビジネス的にも意味のあることだと同氏は付け加えた。

Mitra Chemは現在、カリフォルニア州マウンテンビューに研究施設を建設中で、2022年半ばまでにプレパイロット生産が可能になる予定だ。同社は共同創業者でスタンフォード大学の材料科学教授であるWill Chueh(ウィル・チュエ)氏が先駆けて開発した機械学習プロセスを採用し、この鉄系正極材料を研究所から生産規模まで、他社よりも早く実現すると述べている。

業界情報会社のBenchmark Mineral Intelligence(ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス)によると、原材料の精製から必須部品の製造、最終的なリチウムイオン電池セルの生産に至るまで、中国はサプライチェーンのすべての段階において、電池業界最大のプレイヤーであるという。

ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスが「リチウムイオン電池の中核を成す部品」と呼ぶ正極や負極などの部品の生産量は、世界の約66%を中国が占めている。また、中国は大規模な電池工場の計画数も最も多く、2030年までに計画されている200施設のうち148施設が中国にあることが、同社の調べで分かった。

クマール氏は、現在の電池サプライチェーンの状況を、歴史的な米国の石油に関する立場に例えながら次のように述べている。

「75年間、米国は石油の純輸入国であり、そのエネルギー面における不利益は、米国の消費者や、時には敵対する他国との関係にも大きな影響を与えてきたことを忘れてはなりません」と、同氏は語る。「今も同じことが起きています。(中略)北米にサプライチェーンのようなものがなく、100%外部に無防備な状態であるということは、過去に石油に関して無防備な状態であったのと同じことになります」。

画像クレジット:ChargePoint

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)