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現代自動車が「衛生的なインテリア」を備えた電気自動車SUVのコンセプトカー「SEVEN」を公開

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Hyundai(ヒョンデ、現代自動車)は、ロサンゼルスオートショー2021で、新しいSUV型電気自動車のコンセプトカーを発表した。「SEVEN(セブン)」と名づけられたコンセプトカーは、回転式のラウンジシートから、同社が「衛生的」と呼ぶインテリアまで備えている。新型コロナウイルス感染流行が始まってから3年目を迎えた今の時代に、それは相応しい機能といえそうだ。

コンセプトカーというものは、その名のとおり、未来のクルマの可能性を示す創造性と技術の習作だ。だから、モーターショーでコンセプトカーとして発表されたクルマが、将来必ずしも販売店に並ぶとは限らない。しかし、ヒョンデは今回、フルサイズSUVのコンセプトを、実際にディーラーで購入できるプラットフォーム上で実現して見せた。

コンセプト:衛生的なインテリア

完全な自動運転車が、実際に大衆のものとして実現する日に備えて、ラウンジのようなインテリアや360度回転するシートを備えたコンセプトカーを、ヒョンデのみならず多くの自動車メーカーが披露している。だが、SEVENコンセプトのユニークな特徴は、衛生的なインテリア機能にある。

まず「Hygiene Airflow(ハイジーン・エアフロー)」システムが、前席と後席の乗員間の空気の流れを分離する。ルーフレールに設けられたインテークから取り入れた空気が、車内で上から下へ流れ、リアホイール後方のベントから排出されるという仕組みで、ヒョンデでは「バーティカル(垂直)モード」と呼んでいる。これを「ホリゾンタル(水平)モード」、つまり我々が一般的な自動車の換気と考えているモードに切り替えると、空気は前方から後方へと移動する。ヒョンデによると、このシステムは航空機に採用されている先進的なシステムからヒントを得たもので、走行中でも停車中でも作動するという。

画像クレジット:Abigail Bassett

将来的に自動運転車は複数の人々で共有することになるため、ヒョンデは空気の流れを調整するだけでなく、乗客が入れ替わる間に車内を清潔にするコンセプトも披露した。新型コロナウイルスは、呼吸器系の飛沫やエアロゾルを介して感染し、布地を含むあらゆる表面で何時間も生存できるため、ウイルス感染流行時代においては、非常に現実的な懸念といえるだろう。

SEVENには、乗客がクルマから降りた後に実行されるUV-C除菌サイクルが備わっている。UV-C(紫外線C波線)は、空気、水、非多孔質表面を殺菌できる効果があり、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2ウイルスを死滅させると、FDA(アメリカ食品医薬品)から報告されている。ただし、UV-C光は目や皮膚を焼く可能性があるため、プログラムを実行する前にすべての乗員を車外に出す必要がある。

垂直エアフローとUV-C殺菌に加えて、ヒョンデは将来のウイルスの拡散をさらに防ぐために、内装に抗菌機能を持つ銅や、衛生加工された生地を使用するなどの興味深い工夫も施している。

さらにSEVENには、乗客の靴の洗浄と消臭を行う「シューケアコンパートメント」も装備されている。

実際の充電と航続距離

 

このSEVENコンセプトは、ヒョンデの電気自動車用プラットフォーム「Electric Global Modular Platform(E-GMP、エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム)」をベースに作られている。このプラットフォームは、ヒョンデのクロスオーバー電気自動車「Ioniq 5(アイオニック・ファイブ)」をはじめ、KIA(起亜、キア)の新型電気自動車「EV6」など、Hyundai Motor Group(現代自動車グループ)の他の車両にも採用されているものだ。同グループの高級車ブランドであるGenesis(ジェネシス)から将来登場する電気自動車の基盤にもなる。

このプラットフォームでは、400Vと800Vの両方の急速充電に対応できるようになっており、実際に市販されているIoniq 5の場合、350kWのDC急速充電器を使えば20分以内にバッテリーを10%から80%まで充電することができる。ヒョンデによれば、同社が提供する77.4kWhの大型バッテリーパックによって、一度の充電で300マイル(約483km)以上の航続距離を得ることが可能だという。

コンセプトカーはそのほとんどがベーパーウェアではあるものの、ヒョンデのSEVENコンセプトは、想像と現実が融合した興味深いデザインで、同社が考える未来の交通手段を示唆するものになっている。

画像クレジット:Abigail Bassett

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Hirokazu Kusakabe)