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デジタルファースト企業のグローバル税務を支援するFonoaが約23億円調達

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商品、コンテンツ、あるいはサービスをグローバルに販売すると、税務上の問題が数多く発生する。世界的にクロスボーダー取引が急増する中、デジタルファーストの企業は、国際的に成長・拡大していく中で、グローバルな税務・コンプライアンス問題を理解し、管理するという課題に直面している。

アイルランドのダブリンを拠点とするFonoa(フォノア)は、Uberの元社員であるDavor Tremac(ダボール・トレマック)氏、Filip Sturman(フィリップ・スターマン)氏、Ivan Ivankovicz(アイヴァン・イバンコビッチ)氏の3人によって創業された。設立2年の同社は、デジタル企業がインターネット販売で徴収すべき税金を決定し、計算するためのAPIを開発した。

Lime、Uber、Teachable、Zoomなどの企業の税務コンプライアンス維持をサポートしているFonoaは、オンラインで販売される商品やサービスが特に国際マーケットで増加しているのに伴い、シリーズAラウンドで2050万ドル(約23億円)を調達した。Fonoaの顧客は配車サービス、モビリティ、フードデリバリー、SaaS、eコマースなどの業界が中心で、またサブスクリプション企業も含まれる。

FonoaのAPIは顧客の既存のデータを「簡単」に統合できるため、顧客は何時間もかけて手作業で税金に関する問題を解決する必要はない、とCEOのトレマック氏は話す。自動化されたサービスへの需要の高まりを受けて、Fonoaが扱う年間税務案件は3億件を突破した。B2BのSaaS事業者として同社は「非常に健全なマージン」を確保しており、トレマック氏によると、2020年12月以降、売上高は7倍に増えた。

「デジタルの世界では、企業と顧客は世界規模で取引を行います。国の国境はもはや制限要因ではなく、テクノロジーがグローバル取引をかつてないほどのスピードで推進しています」と同氏は話す。「規制当局による監視の強化と相まって、より自動化された信頼できる方法で税務問題に対処することは、これまで以上に緊急の課題となっています」。

Fonoaによると、同社は「プラグアンドプレイ・モジュラー・プラットフォーム」を提供していて、取引が行われた後に買い手と売り手の税務上のステータスを確認して正しい税金を計算し、地域の規制に準拠した請求書を作成することができる。また、必要に応じて、その国の政府に取引内容をリアルタイムで自動報告することも可能だ。

画像クレジット:Fonoa

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、Fonoaの成長は「著しく」加速したと、トレマック氏は語る。

「オンラインでの取引にはそれぞれ税金がかかるため、オンラインでの販売が増えるということは、我々の仕事も増えるということです」。

OMERS VenturesがFonoaのシリーズAラウンドをリードし、Index Ventures、FJ Labs、Moving Capitalが参加した。Indexは2020年11月に450万ドル(約5億円)のシードラウンドをリードしたが、これは未発表だった。その他の出資者には、OpendoorとUberでCOOとCFOを務めたGautam Gupta(ゴータム・グプタ)氏、Eventbriteの創業者であるKevin Hartz(ケビン・ハーツ)氏、DoorDashのCFOのPrabir Adarkar(プラビール・アダーカー)氏、GoCardlessの元COO、Carlos Gonzalez-Cadenas(カルロス・ゴンザレス・カデナス)氏、FastのCOOであるAllison Barr Allen(アリソン・バー・アレン)氏などが含まれる。

Uber出身の創業者たちは、税金を正しく計算して世界中の当局に報告することがいかに難しいかを身をもって体験した。そこで、インターネット経済全体のために税金を自動化する技術の開発に着手した。

Fonoaは現在、100カ国以上の国で税金計算の自動化をサポートしており、今回の資金調達により、年内に140カ国超に拡大することを目指している。また、今回の資金を雇用にも充てる予定だ。Fonoaはダブリンを拠点としているが、最近の他の多くのスタートアップと同様にリモートを基本としていて、現在60人のチームが15カ国で働いている。米国、欧州、アジア、中南米で、エンジニアリング、プロダクト、営業、人事、オペレーションなどの分野の人材をさらに60人採用する計画だ。また、今回の資金は、現在の製品のカバー範囲を広げるためにも「まったく新しい製品を作るため」にも使う、とトレマック氏は話す。

同氏は「目の前に膨大な機会があり、利用可能なすべてのリソースを使って、成長を倍増させようとしています」とTechCrunchに話した。「我々は、すべての地域で、すべての製品に関連するすべてのユースケースをカバーするまで、事業拡大します」。

Index VenturesのプリンシパルであるHanna Seal(ハナ・シール)氏は、Fonoaが国際的に事業を展開している企業の成長を解き放ち、そうでなければそうした企業は各国の複雑な税制で「身動きが取れなくなる」と考えている。

シール氏は「単なるバックオフィスの自動化ではなく、成長を可能にすることにFonoaが焦点を当てている点に惹かれました」とメールに書いた。「複数のマーケットでUberを運営してきたFonoaの経営陣は、国境を越えて事業規模を拡大する際の課題を深く理解しており、企業が新たな地域をシームレスに追加して拡大できるような製品を開発してきました」。

OMERS Venturesのマネージングパートナー、Jambu Palaniappan(ジャンブ・パラニアパン)氏は、Fonoaのプロダクトを「市場で最高かつ最も完全な製品」と評した。

「Fonoaは、検証からリアルタイムのレポート報告まで、税務の全工程に注力しており、コンサルティングではなくテクノロジーを製品の中核に据えています。世界中の政府がこれまで以上にコンプライアンスに関心を寄せている今こそ、Fonoaが世界に通用するプラットフォームを構築する絶好の機会です」。

画像クレジット:Fonoa

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi