人工知能・AI
自然言語処理 / NLP(用語)
機械学習 / ML(用語)
資金調達(用語)
文字起こし / Transcribe(用語)

Verbitの文字起こしプラットフォームは人工知能と人間の知能を組み合わせて高い精度と早い納期を実現

次の記事

アップルの複合現実ヘッドセットはスタンドアローン型とのウワサ

1億5700万ドル(約178億6000万円)を調達したシリーズDラウンドからまだ半年足らずにもかかわらず、AIを活用したトランスクリプション&キャプションのプラットフォームであるVerbit(ヴァービット)は、同社を20億ドル(約2275億円)と評価するシリーズE投資ラウンドを、2億5000万ドル(約284億3000万円)でクローズしたと発表した。今回の資金調達により、同社の資金総額は5億5000万ドル(約625億6000万円)を超えた。

この新たな投資ラウンドは、Third Point Ventures(サード・ポイント・ベンチャーズ)が主導し、既存投資家であるSapphire Ventures(サファイヤ・ベンチャーズ)、More Capital(モア・キャピタル)、Disruptive AI(ディスラプティブAI)、Vertex Growtht(ヴァーテックス・グロース)、40North(フォーティノース)、Samsung Next(サムスン・ネクスト)、TCPが参加した。

VerbitのCEO兼創業者であるTom Livne(トム・リブン)氏は、この資金を製品開発への投資と、垂直方向および地理的な拡大の継続に使用すると述べ、買収戦略も倍増させると付け加えた。

シリーズEをクローズしたことで、Verbitは近い将来に予定されているIPOに一歩近づいたと、上場計画について訊かれたリブン氏は答えた。

Verbitは、それまで法律の分野でキャリアを積んでいたリブン氏によって2017年に設立された。リブン氏は、テープ起こしの納期の遅さに不満を感じることが多かったが、弁護士としてその問題に正面から取り組むためのツールを持っていなかった。そこで同氏は、AIを活用したトランスクリプションとキャプションのプラットフォームを提供するスタートアップを設立し、AI駆動の自動トランスクリプションサービスとプロのトランスクリプターを結合させた。

約300億ドルと推定されるトランスクリプション業界は、非常に細分化されており、小さな家族経営の会社がたくさんある。この市場は統合の準備ができていると、リブン氏はTechCrunchにメールで語り、Verbitは5月に、2番目の買収先であるVITACを5000万ドル(約56億7000万円)で買収完了したと付け加えた。

Verbitのプラットフォームの特徴は、人工知能と人間の知能の両方の力を利用して、業種に特化したトランスクリプションやキャプションを提供し、各業界に適したソリューションを構築していることだと、リブン氏はいう。

「当社のAIは、特定の業種や顧客に基づいてトレーニングされているので、当社のプラットフォームは、時間の経過とともに改善されるカスタムモデルを構築することができます。つまり、Verbitの顧客は、法律、教育、メディア、企業などの分野にいて、それぞれに、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)やSOC IIコンプライアンスなど、独自の業界固有の規制や基準に準拠したトランスクリプションやキャプションを提供することができるということです」と、リブン氏は述べている。

さらに、機械学習と自然言語処理(NPL)を用いたモデルにより、99%以上の精度と、業界標準より10倍も早い納期を実現していることも、同社の大きな差別化要因であると、リブン氏は語った。

Verbitは、メディア、教育、企業、法律、政府機関など、2000社以上の顧客にサービスを提供している。リブン氏によれば、その顧客の中には、CNN、Fox(フォックス)、Disney(ディズニー)、Coursera(コーセラ)、Stanford(スタンフォード)、Harvard University(ハーバード大学)、Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、AT&Tなどが含まれるという。

同社は急速に成長しており、前年同期比で6倍の収益成長を遂げ、年間の経常収益は1億ドル(約113億円)を超えていると、リブン氏は続けた。また、同社はキャッシュ効率に優れ、163%という高い顧客維持率を誇っており、これらは顧客からの信頼を示す重要な指標であると、同氏は付け加えた。

同社がトランスクリプションの分野で競合する企業として、リブン氏はRev.com(レブ)や3Play Media(スリープレイ・メディア)の名前を挙げた。

英国とオーストラリアで強い存在感を示しているVerbitは、ドイツ、フランス、スペインなど、欧州へのさらなる拡大を計画していると、リブン氏は述べている。これらの国々は、かなりのインバウンド関心が見られるため魅力的であると、リブン氏は付け加えた。

「市場機会は非常に大きく、業界リーダーとしての当社の立場を考えれば、我々はこれらの市場に迅速に参入することができます」と、リブン氏はいう。

Verbitは、ニューヨーク、コロラド、ピッツバーグ、パロアルト、カナダ、テルアビブ、キエフの470人を超える従業員と、世界中に3万5000人のフリーランスのトランスクリプターと600人のプロのキャプション担当者を擁している。

「今回の資金調達は、トランスクリプション分野におけるマーケットリーダーとしての地位を確固たるものにする当社の能力に対する信頼の証です」と、リブン氏は語る。「この業界を近代化するための強力な技術プラットフォームを構築し、垂直統合された音声AIソリューションを構築する当社の戦略は、私たちのお客様に多大な価値をもたらし、お客様のビジネスをよりわかりやすいものにしてきました」。

「Verbitは、トランスクリプション市場において卓越した技術によるオーガニックとインオーガニックの成長を兼ね備えた特別な企業です」と、Verbitの取締役会に加わるThird Point Venturesのマネージングパートナー、Rober Schwartz(ローバー・シュワルツ)氏は述べている。「このような大規模で断片化された市場で、デジタルトランスフォーメーションと同時進行の統合の機が熟している時に遭遇できるチャンスは、滅多にありません」。

画像クレジット:Verbit

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Hirokazu Kusakabe)