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ツイッターのジャック・ドーシーCEOが退任

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CNBCは米国時間11月29日朝、Twitter(ツイッター)のCEO、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が、Twitterでの職務から退く見込みだと報じた。その直後、ドーシー氏自身はこの噂を認め、Twitterは詳細を記したプレスリリースを発表した。ドーシー氏の後任には、2011年にエンジニアとしてTwitterに入社し、2017年からCTOを務めてきたParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏が就任する。

「会社が『創業者主導』であることの重要性についてよく耳にします」とドーシー氏はTwitterのスタッフに宛てたメールの中で書いており、それをツイートした。「結局のところ、それは非常に限定的であり、単一障害点であると考えています。私は、この会社が創業者や創設者から脱却できるように努力してきました」と述べている。

ドーシー氏は、Twitter、そして消費者と企業の両方に決済・現金管理・送金サービスを提供している金融会社Square(スクエア)の両方のCEOを務めている。

Twitterによると、ドーシー氏は2022年の株主総会で任期が満了するまで同社の取締役にとどまる。ドーシー氏の退任と同時に、取締役会会長Patrick Pichette(パトリック・ピシェット)氏の後任として、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏が指名された。ピシェット氏は取締役会に残り、引き続き監査委員会の委員長を務める予定だ。

ドーシー氏は、テイラー氏が取締役会に加わったことを、安心して退任できる理由の1つとして挙げている。テイラー氏は「起業家精神、リスクを取ること、大規模な企業、テクノロジー、製品を理解しており、エンジニアでもあります」と指摘している。

Twitterは、今回のトップ交代により、以前発表した2021年第4四半期および通年の見通し、2023年の目標に変更はないとしている。

ドーシー氏退任のニュースを受けて、Twitterの株価は上昇した。週明けの取引では最初の数分で先の利益を失ったものの、記事執筆時点では6.1%の上昇となっている。

更新:Twitterの株価は、この更新時点(米国東部時間11月29日午後12時43分)で0.13%の下落となり、実質的に横ばいとなっている。

参考までに、Twitterの11月29日時点の価値は約400億ドル(約4兆5485億円)となっている。しかし、990億ドル(約11兆2575億円)強の公開市場価値を持つSquareの半分以下だ。

1社だけでも上場企業を運営するのは大変だ。2社を運営するのは並大抵のことではなく、簡単なことではないと思われる。Squareの株価も11月29日朝、程度の差はあるが上昇している(CEOが時間を分散していることでTwitterは投資家の反感を買っていた)。Squareは、同社でのドーシー氏の役割に変更はなく、経営、戦略、財務の見通しなどにも何の変更もないことをTechCrunchに明らかにした。

ドーシー氏は「これは私が決めたことであり、私の責任であることをみなさんに知っていただきたいと思います」と書いている。「自分のエゴよりも会社を選んだ創業者は多くありません。これが正しい行動であったことを証明できると信じています」。

「TwitterのCEOとしてのパラグへの信頼は深いものです」とドーシー氏は述べ、発表された声明の中で後継者を称賛している。「過去10年間の彼の仕事は変革をもたらしました。彼のスキル、ハート、ソウルに深く感謝しています。彼がリードする時です」。

アグラワル氏はTwitterで技術戦略を担当し、開発速度の向上に向けた取り組みを主導してきた。同氏はまた、社全体の機械学習を高度化した。CTOに任命される前、同氏は2016年と2017年のオーディエンスの伸びの再加速に影響を与えたことを含め、収益および消費者向けエンジニアリングにまたがる仕事をしたことにより、Twitter初のディスティングイッシュド・エンジニアになったとのことだ。同氏は、スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得し、インド工科大学ボンベイ校でコンピュータサイエンスとエンジニアリングの学士号を取得している。

「私のリーダーシップを信頼してくれた取締役会と、継続的な指導、支援、そしてパートナーシップを提供してくれたジャックに感謝します」とアグラワル氏は声明で述べた。「ジャックのリーダーシップのもとで達成したすべてのことをさらに発展させていくことを楽しみにしており、これからの機会に非常に大きなエネルギーを感じています。今後も実行力を高めていくことで、公での会話の未来を再構築しつつ、顧客や株主のみなさまに多大な価値を届けます」と述べた。

また、Twitterのチームに宛てた電子メールをツイートで紹介し、Twitterの戦略を実行し「野心的な目標」を達成することにコミットしているが、計画を実行し、結果を出すための取り組み方が問われることになると指摘している。Twitterは11月30日に全社員ミーティングを行い、質疑応答にも時間を割く。

すばらしいプロダクト展開

Twitterのリーダーシップとプロダクトの方向性は長年にわたり、保守的すぎる、遅すぎる、あるいはその両方であるという批判を受けてきた。しかし、ここ数四半期はTwitterの新プロダクトやサービスの開発・出荷能力が加速していた。

Twitterの機能は、ツイートできる文字数を増やすなどの大きな変更を除いて、何年もほぼ停滞していたが、数多くの新機能を導入し、買収も行なってきた。

TwitterはSpacesでライブオーディオに参入し、Ticketed Spaces、Tip Jar、ライブストリームショッピングなどのマネタイズ機能を導入した(FacebookやInstagramなどのMetaアプリもeコマースに関してはペースを上げてきている)。最近では、よりカスタマイズ可能なユーザーエクスペリエンス(ツイートの取り消し機能など)を提供する月額2.99ドル(約340円)のサブスクサービスTwitter Blueを開始した。

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Twitterはまた、サービスにさらなる機能を追加するために買収も行なった。2021年はこれまでのところ、Threader(Twitter Blueのスレッド閲覧機能の開発に貢献)、Sphere(グループソーシャルメッセージングアプリ)、Breaker(Spacesの開発に貢献)などの企業を買収しており、中でも注目すべきは、ライターが自分の投稿をプロフィールに直接リンクできる便利なニュースレタープラットフォームであるRevueだ。

最後に、ドーシー氏が暗号資産に興味を持っていることは周知の事実だ。同氏のTwitterの経歴は文字通り「#bitcoin」だけだが、同氏だけが支持者ではない。Twitterは、ユーザーが自分のプロフィールにNFTを表示する方法に取り組んでおり、もっと広く言えば、Twitterは分散型ウェブプロジェクトであるBlueskyを有している。しかし、ドーシー氏の退任は、特に同社が2021年11月初めに暗号資産専門チームを構築すると発表したこともあり、Twitterの暗号資産の勢いを緩めたりはしないかもしれない。当時、同社はTechCrunchに対し、アグラワル氏は新しい暗号資産チームと協力してTwitterにおける暗号資産の将来について検討し、ブロックチェーン技術によるソーシャルメディアの分散化に向けた取り組みを支援する、と述べていた。

なお、今回のニュースに関する詳細なコメントを求めたところ、同社からすぐには回答は得られなかった。

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画像クレジット:Amal KS/Hindustan Times / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Amanda Silberling、Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi