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フォルクスワーゲンがEV生産強化のために3社と新たな提携を締結

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Volkswagen(フォルクスワーゲン)が、電気自動車のバッテリーに関わる3つの新しいパートナーシップを締結した。このドイツの自動車メーカーは、2040年までに乗用車、トラック、SUVの全車種をゼロエミッション(排ガスを一切出さない)車に移行させることを目指している。

現地時間12月8日に発表されたこの3つのパートナーシップの提携企業は、素材技術グループのUmicore(ユミコア)、バッテリースペシャリストの24M Technologies (24Mテクノロジーズ)、そしてドイツでリチウム採掘プロジェクトの開設を計画しているVulcan Energy Resources(バルカン・エナジー・リソーシズ)だ。

フォルクスワーゲンとユミコアは合弁会社を起ち上げ、フォルクスワーゲンがドイツのザルツギッターに設立するバッテリーセル工場に、リチウムイオン電池の重要な構成要素である正極材を供給する。この合弁会社の初期生産能力は20ギガワット時だが、2030年までに160ギガワット時にまで拡大することを目指している。

さらにフォルクスワーゲンは、半固体の電極を持つバッテリーを開発している24Mテクノロジーズに出資すると発表した。マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトしたこのバッテリー技術スタートアップ企業によれば、同社の半固体電池は、従来のリチウムイオン電池よりも製造工程を簡素化でき、コストも削減できるという。フォルクスワーゲンは出資額を明らかにしていない。

そしてバルカン・エナジー・リソーシズとのパートナーシップには、両社が「カーボンニュートラル」と表現するドイツ産リチウムの供給に関する拘束力のある契約が含まれている。

両社によると、このカーボンニュートラルなリチウムが得られるのは、バルカン社の塩水(塩湖かん水)からリチウムを採取する技術が、従来の塩湖かん水を蒸発させてリチウムを抽出する方法よりも環境に優しく、再生可能エネルギーを利用した工場で処理されるからだという。

バルカンは、2026年から5年間、フォルクスワーゲンに水酸化リチウムを供給する。

これら3つの提携は、フォルクスワーゲンが電気自動車に300億ユーロ(約3兆9000億円)を投資する計画の一環だ。欧州だけでも、同社は2030年までに6つの巨大バッテリー工場の建設を予定しており、それらすべてを合計した生産能力は、240ギガワット時になる見込みだという。

バッテリーのサプライチェーンを確保するために迅速に動いている大手自動車メーカーは、フォルクスワーゲンだけではない。General Motors(ゼネラルモーターズ)は2021年12月初め、韓国のPOSCO Chemical(ポスコケミカル)と同じように合弁会社を設立し、2024年までにバッテリーの正極材を製造する新工場を北米に建設すると発表した。一方、Stellantis(ステランティス)は11月、バルカンと独自のリチウム供給契約を締結している。

これらの提携は、自動車メーカーの電動化計画が加速していることを示すだけでなく、世界的なバッテリーサプライチェーンを中国から離れたところで再構築することに貢献するという点でも注目される。

Benchmark Mineral Intelligence(ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス)の調べによると、現在はバッテリーの正極材と負極材の大部分が中国で製造されているという。また、現在計画されている200の大規模バッテリー工場のうち、約75%にあたる148の工場が中国に建設される予定であることもわかっている。

画像クレジット:Jens Schlueter / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)