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【レビュー】邪魔にならない、スマートリング「Oura Ring」第3世代モデル

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Oura Ringについて、誤った意見を持っていたことを認めざるを得ない。筆者はこのデバイスをApple Watchの代替品として考えていた。ざっくりいえばその通りだが……ほとんどの人がどちらか一方を選択するだろう。活動量計2つは多すぎるし、コスト的にも難しい。299ドル(約3万4000円)あればスマートウォッチが1つ買える。

また、この第3世代からOura Ringには月額6ドル(約700円)のサブスクリプションが追加される(6カ月の無料期間あり)。サブスクリプションには新しい機能も追加されているが、これまで無料だった機能まで有料になる。Oura Ring 3はまさに「投資」だが、スマートウォッチではない。

Oura Ring 3はどちらかといえばフィットネスバンドを後継する製品だ。最近はフィットネスバンドの話をあまり聞かないが、Appleがウェアラブル市場に参入する前は、フィットネスバンドがこの市場を完全に支配していた。Fitbit(フィットビット)やXiaomi(シャオミ)のような企業は今でも毎年大量にフィットネスバンドを販売しているが、同種の、さらに機能が充実した製品に押されてもはや時代遅れになってしまった。しかしながら、Oura Ringをフィットネスバンド(あるいはヘルスバンド)として考えてみると、その意味がわかるようになる。

画像クレジット:Brian Heater

Oura Ringは、いうなれば受動的なデバイスだ。ブザーやビープ音が鳴り、常に注意を向けなければならないデバイスではない。装着しておくだけのデバイスで、活動のリマインダーなど、あらかじめ設定された小さな刺激がある以外はほとんど無視できる。実際その通りなのだ。フィットネスバンドにはディスプレイがあったりなかったりするが、リングという形状はスペース的に非常に大きく制限される。

それを逆手に取り、Oura Ringは邪魔にならないように設計されている。リングで収集された睡眠、健康、フィットネスの実用的なデータは、後から接続済みのモバイルアプリで見ることができる。それこそがOura Ringのセールスポイントだ。リングという形状はフィットネスバンドよりも邪魔にならないようにすることができる。このタイプの最初の製品であるMotiv(モーティブ)のリングはそれが魅力だった。Motivはその後フィットネスカテゴリーから離れていったようだが、Ouraがその後を引き継いだ。

画像クレジット:Brian Heater

先に進む前に告白しておこう。筆者はリング的なものが好きではないので、身につけることもない(締め付けないでくれ、といったところだ)。これはOura Ringを使わない大きな理由の1つだが、正直なところスマートウォッチに愛着もある。とはいえ、ここ2週間はOura Ring 3を装着している。製品をレビューするにあたり、Oura(オウラ)に提案、というか控えめに要求されたのだ。

筆者はこの提案を不思議に思った。ハードウェアをレビューする際、できるだけ長く製品を試して欲しいと思うのは一般的だ。時としていうは易く行うは難しだが。しかし同社は、ある種の基準となる測定を行うために2週間使ってくれと主張する。最初の2週間の測定値が悪いということではなく、少しの間デバイスを装着し、Ouraがユーザーの習慣、睡眠、生体認証をより明確に把握するとより良い結果が得られるということらしい。

私たちはそれぞれが異なる個性を持っているので、どのような種類の健康器具にとってもカスタマイズは重要だ。299ドルのリングを購入しようとするユーザーには賛同してもらえると思う。付けていてもあまり影響はないので装着し続けるのも難しくはない。繰り返しにはなるが、リングが好きではなく、寝不足気味の筆者にとっては慣れるまでに多少時間がかかった。それでも大きくてかさばるスマートウォッチを装着したままにするよりも楽だった。睡眠の邪魔になる睡眠トラッキングデバイス、というのも皮肉なものだが、Oura Ringはそれには該当しない。

Oura Ringはリングであるが故に快適だ。リングが好きでなくても、単に身体に触れる面積が小さいだけで侵襲性が低い(影響が少ない)。デザインは前作とほとんど変わらず、丸い単色のメタルバンドだが、上下を示すために上部は平らになっている。

画像クレジット:Brian Heater

自分の指輪のサイズがわからない場合は、プラスチック製のダミーリングが多数入ったサイズ調整キットが送られてくる。Warby Parker(ワービー・パーカー、気になるメガネを自宅で試着できるサービスを展開)みたいだ。人間の指は日中でもサイズが変わるから、1つのリングを丸一日装着することが推奨される。サイズとカラー(筆者はマットブラックを選択)を選び、製品を待つ。実際のリングはプラスチック製のダミーよりも少しゆるい気がしたが、問題なく装着できた。そして日を追うごとにフィット感が増していくように感じられた。

一見すると普通のリングのように見え、それが実に魅力的である。しかし、心拍数の計測時にはリングの内側から緑の光が見えてしまうことがある。発売当初に搭載されたいくつかの新機能の中には日中の心拍数モニターがあり、(筆者が使う機会はなかったが)生理日予測や温度感知機能も改善されている。これらの新機能だけを見ても、第3世代は第2世代よりも進化していることがわかる。

関連記事:Oura Ringは今の時代を生き抜くための指輪型健康トラッカー、睡眠分析機能はwatchOS 7を凌ぐ

2021年から2022年にかけて搭載される予定の機能は、瞑想や呼吸法などの新コンテンツ、ワークアウト時の心拍数モニター、より正確な睡眠ステージング、動脈血酸素飽和度(SpO2)測定など、盛りだくさんだ。最後のSpO2測定機能については、導入が遅れたとしてもまったく不思議ではない。発売後に重要なヘルスセンシング機能を追加するのはOuraだけではない。Ouraの場合は、(少なくとも今のところ)米国食品医薬品局(FDA)の承認の問題ではなく、実装の問題だ。

Samsung(サムスン)やApple(アップル)でもなければこの種の機能をきちんと実装するのは難しいだろうが、今後の予定となっている機能は数多くあり、多くの潜在ユーザーが「なぜOuraはより完全に機能を実現した製品まで待たなかったのか」と思うことだろう。筆者は、これはベースとなるハードウェアを提供し、製品の耐用年数が尽きるまで機能の改善と展開を続けることを約束する、という熟慮された戦略の一環なのではないかという考えに至った。

Ouraがこの製品に対して長期的な目標を持っていることは間違いない。同社が参加した数多くの研究に目を向けてみよう。同社のブログをざっと見ただけでも、うつ病、スマートフォンの使用が睡眠に与える影響、海底環境への適応など、あらゆる研究が紹介されている。すべてが解明されるわけではないとはいえ、ほとんど(または多く)が今までにない、新しい機能につながると思われるが、少なくとも、センサーを使用するとどれだけ正確にモニター / 予測できるかについては興味深い洞察が載っている。特に、これらの研究では指と手首で心拍数などを測定する際の精度が明らかになっているようだ。

結局、筆者はワークアウトのトラッキングにはApple Watchのような手首に装着するタイプのトラッカーの方が好みだが、この2つを組み合わせることで自分の活動の全体像を知ることができた。とはいえ、誰もができる方法ではないし、皆が希望するものでもないことは承知している。Oura Ringが従来のトラッカーと比較しても結果的に成功しているのは、Ouraが実用的な分析情報にフォーカスしているからだ。だからこそ、Oura Ringの効果を判断する前に基準を決めることにこだわるのだろう。

画像クレジット:Brian Heater

この手のデバイスでは、回復(リカバリー)や準備状態(レディネス)といったものが見落とされがちだが、Ouraは後者について次のように説明している。

レディネスはOuraのメインスコアであり、あなたのためだけに設計され、何があなたの身体とライフスタイルに合っているのかを認識できるようにします。レディネスは、最近の活動、睡眠パターン、身体に負担がかかっているかどうかを示す直接的な身体のシグナル(安静時心拍数、心拍変動、体温など)を考慮した、あなたの健康の全体像です。

実際上は、収集したすべての指標を使用して十分にリカバリーできているかを判断する。筆者にとってはリカバリータイム(身体が次のトレーニングに適した状態になるまでの時間)が常に要注意だった……まあそれはおいておこう。筆者はワークアウトとワークアウトの間に身体を回復させることができたし、もっと上手くやるべきだった。赤の「Pay attention(注意)」が示しているように、確かに改善すべきポイントだった。

画像クレジット:Brian Heater

もう1つ注目すべきは睡眠だ。「ホーム」タブをタップすると「昨日の夜、心拍数が低下したので、まだ完全には回復していないかもしれません。身体の充電のために、今日はゆっくりしてみませんか?」と表示される。例えば、(筆者は朝に瞑想をしているが)朝ではなく夜に瞑想したり、寝る前に呼吸法を行ったりする方が、イヤフォンで音楽を聴きながらTwitterでネガティブ情報ばかり追ってしまうよりも良い睡眠が得られる(実際筆者の睡眠の質は悪い)というのは明らかだろう。

しかし、日々の仕事に追われているとこの事実は見失いがちである。筆者は常々、ウェアラブルデバイスの利点は指に結んだ紐と同じように気にならないことであり、過小評価されていて議論もされていないと発言している。このテクノロジーは、マインドフルネスをもたらし、そもそもなぜ投資をしたのかを思い出させてくれる。私たちがこれらの製品を購入するのは、自分自身を改善したいからである。ともすればテクノロジーが真逆のことをしてしまう現在、ウェアラブルのテクノロジーによるポジティブな補強はネット・ポジティブ(差し引きプラス)だ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)