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「オルタナティブMBA」というビジョンの実現をインドで目指すStoa School

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伝統的なMBAのディスラプション(創造的破壊)は、EdTechスタートアップのピッチとして最も多く試みられ、テストされ、微調整されているかもしれない。それもうなずける。ビジネススクールは非常に高価であり、概して、エリート教育に投資するための時間と資金のある選ばれた人々のために用意されている。

そのコードを完璧に解読した企業はまだ存在しないが、Stoa School(ストア・スクール)は臆していない。ゴアに拠点を置くこのスタートアップは、インドの成長するスタートアップシーンが広く注目される中、同国の高等ビジネス教育に代わる高品質な非認定教育機関を設立するために数百万ドル(数億円)を調達した。同スタートアップの最初の資金調達は150万ドル(約1億7000万円)のプレシードのパーティーラウンドで、Udemy(ユーデミー)とMaven(メイブン)の共同創業者Gagan Biyani(ゲイガン・ビヤニ)氏、Better Capital(ベター・キャピタル)の創業者Vaibhav Domkundwar(ヴァイバヴ・ドムクンドワール)氏、Teachable(ティーチャブル)の共同創業者Ankur Nagpal(アンカー・ナグパル)氏、NotBoring Media(ノットボーリング・メディア)の創業者Packy McCormick(パッキー・マコーミック)氏、Dunce Capital(ダンス・キャピタル)の投資家John Danner(ジョン・ダナー)氏、Zivame(ジヴァーム)の共同創業者Richa Kar(リチャ・カー)氏らが参加した。

「人々はスタートアップについてもっと知りたいと思っています。そしておそらく、企業での仕事からの移行を望んでいるのでしょう」と共同創業者のRaj Kunkolienkar(ラジ・クンコリエンカー)氏は語り、インドのスタートアップに対する人員需要はこの1年間で40%増加していると推定する。同氏の共同創業者Aditya Kulkarni(アディティア・クルカーニ)氏は、このスタートアップは自らを「スタートアップの仕事への(に就く)手段」と位置づけており、誰もが「CACとは何か、GTMとは何か、LTVとは何か」ということに精通しているわけではないと付け加えた。

クルカーニ氏によると、Stoaの設立につながった最初の洞察は、インドの学生にはビジネス教育を追求する選択肢が多くないという事実にあった。Indian School of Business(ISB、インド商科大学院)に入学するか、米国に引っ越すしかないのが実情だ。同時に、クンコリエンカー氏はインドのLambda School(ラムダ・スクール)を運営していたが「インドの資金調達と資金回収のインフラは、ISA(Income Share Agreement、所得分配契約)を大規模に運用できるほど発展していない」ことに気づいた。

現在、Stoaは6カ月間のパートタイムプログラムであるStoaMBAを設けており、テクノロジー関連のスキルとビジネスの基本をすべての参加者向けに組み合わせて提供している。ライブプログラミングの大部分は週末に実施され、コホート学習、ビジネスケースのハッカソン、基本的な講義と非同期学習が週を通して行われる。学生は平均して週に12時間、月に3週間をこのプログラムに費やしている。

「私たちのアイデアは、さまざまなビジネス領域の完全な360度の概観を提供することです」とクンコリエンカー氏は語る。同氏の推計では、この24週間におけるプログラムの約30%が、データの扱い方や調査をより適切に行う方法など、基礎的なスキルに重点を置いているという。残りの時間は、デジタルマーケティングの役割やプロダクト戦略のヒントなど、需要のある特定の役割について深く掘り下げるために確保されている。

インドのスタートアップのすべてに向けて空白のセールス職の充足を支援するほどの規模には至っていないことを同社は認識しており、現在はオペレーションとセールスの世界におけるジェネラリストを育成することに注力している。StoaMBAの現在の価格は3400ドル(約38万円)で、ほとんどの学生は前払いである。EMIベースの融資オプションを提供するためのパートナーシップをStoaは有しており、それを利用すると学生は月単位で支払うことができる。

伝統的なMBAに真に代わるものとなるために、Stoaは、カリキュラムの品質保証、測定可能な成果、そして非認定のカリキュラムが生徒の生活に違いを生み出すという持続的な証明にフォーカスしていく必要がある。

非認定マインドセットの理解

求職者とそのテック業界での初めての仕事の間で最初のレイヤーになることで、Stoaは大手企業との競争を回避できるかもしれないが、このオポチュニティは最大の課題でもある。

コホート1と2の間で、100人のうち40人だけがこのスタートアップのキャリアサービスを選択し、そのうちの38人が新しい役割に移行した。共同創業者たちは、60%が参加しなかったのではなく、参加した人たちの成功率を重視していたが、この不均衡は他の市場勢力を表しているのかもしれない。同社は将来的に、本格的な転職を希望する人、テクノロジーの基礎を学んで理解を深めたい人、現在の職務でのスキルアップのために単一のスキルを学びたい人に向けて、別のプログラムを作ろうと試みている。

「Stoaに申し込む人の多くは、明瞭性を求めています」とクルカーニ氏。「人々はある一定の変化を望んでいます。しかしその評価に向けた最初のステップは、私がその変化を真剣に求めるかどうかにあるのです」。

逸話や幸せそうな学生たちがオンライン学習の価値を示す一方で、どのブートキャンプも最終的には、規模を拡大するために投資の見返りを証明しなければならない場所にたどり着く。解雇された人や求職者がテック業界に参入する支援を行うブートキャンプのスタートアップFlockjay(フロックジェイ)は最近、B2B SaaSプラットフォームへの方向転換を進める中で、従業員の半分を削減した。過去数年間、訴訟やレイオフ、資金調達に奔走してきたLambda Schoolは、その就職率に関するずさんなマーケティング戦術について精査されてきた。

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このスタートアップは多様性への取り組みを促進する必要もある。共同創業者たちは現在、学生の75%が男性で、25%が女性だと推定している。インドのスタートアップにおける女性の割合が出産休暇のコストと先天的な偏見のために減少していることを考えると、Stoaは現状を助長するのではなく、現状に疑問を提起するオポチュニティを有している。キャップテーブルは主に男性が占めているようであるから、その背後に女性の代表者を増やすことが戦略に役立つかもしれない。クルカーニ氏は、Stoaは女性にスカラーシップを提供してきたが「やるべきことが確かにある」と語った。

最後に、Stoaはさらに他のことも例示している。未来は非認定のコースにあると信じる起業家と、認定が高等教育において正当性を獲得する唯一の方法であると考える起業家との間の違いが大きくなっていることである。

「私たちは6カ月の学位を設置していますが、インドの規制当局がそのような学位や卒業証書を受け入れることは決してありません」とクンコリエンカー氏は話す。「ここインドで認定されるものには、極めて具体的なルールがあります」。Stoaは「学位方式」を採用しない方向に向かっており、その理由はブランド、カリキュラム、そして変化と反復をすばやく行う能力をコントロールし続けたいからだと同社は述べている。

その結果、Stoaのブランドは、同社の長期的な健全性において実質的に重要な意味を持つことになる。言い換えれば、一定数の人々に認証印を与えることは可能かもしれないが、規制当局のサインがなければ、企業の採用担当者はその証印を気にするだろうか、ということだ。

「インドは明らかに資格主義を重んじる社会、そして文化を形成していますが、Stoaには、MBAが国全体になし得ること、意味すること、提供することを再構築するすばらしいオポチュニティを感じます」とVibe Capital(バイブ・キャピタル)の創業者で投資家のAnkur Nagpal(アンクール・ナグパル)氏は語っている。「同社はブランド構築と卒業生のネットワークを十分に発達させてきましたので、知識のある人たちにとって憧れのブランドになっていると思います」。

On Deck(オン・デッキ)とY Combinator(Yコンビネーター)は、どちらのプログラムも卒業者の威信とコミュニティの存在を示唆するものとなっており、サービスとしてのシグナルをある程度スケールすることが可能であることを実証している。アクセラレーターはビジネスのニュアンスを理解しているインサイダーのためのものだが、Stoaはスタートアップのエコシステムに入りたい人たちを獲得できるだろうと共同創業者たちは考えている。

しかし、テック業界で職を得ることは、起業よりも困難で複雑な場合もある。Stoaの次のステップ、ベンチャーが後押しするものは、希望的観測として、伝統的な門番を排除し、これまでに培ってきた同社の価値を通して教育を行うことで、その困難な状況を打開するものとなるだろう。

画像クレジット:Witthaya Prasongsin / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)