6つのバリューで採用活動、10名のメンバーとの面接でカルチャーフィットを探る

KAKEHASHI取締役CTO海老原氏に聞くスタートアップへの転職(2)

「CAREERS TechCrunch Japan」は、スタートアップ企業への転職を考えているユーザーに向けた特別企画。創業メンバーではなく、スタートアップに転職を経験した人物に直接取材し、転職を考えた理由から、スタートアップで働くことの意義や楽しさをじっくり聞いていく。第1回のゲストはKAKEHASHIの海老原 智氏。前回は海老原氏自身の転職について語ってもらったが、今回はKAKEHASHIがどのように人材を採用しているのか、KAKEHASHIへの転職を希望する人材はどういった人物なのかを聞いた。

KAKEHASHIは、電子薬歴システム「Musubi」を開発・提供している、2016年3月設立のスタートアップ。主な顧客は調剤薬局で、患者の疾患や年齢、性別、アレルギー、生活習慣、検査値などのデータを基に最適化した服薬指導をサポートする。季節に応じた対応や、過去の処方や薬歴などを参照した指導内容の提示も可能だ。データを入力していくことで各種情報が蓄積され、より高い精度で患者に最適な服薬指導やアドバイスを自動提案してくれる。

海老原 智
株式会社KAKEHASHI取締役CTO

20代は凸版印刷株式会社でC++/OpenGLによる内製VR統合開発環境の実装を担当するなど、3DCG関連の開発に従事。

その後ウェブ開発に転向し、グリー株式会社にてSNS/プラットフォームのサーバーサイド開発、Android版SNSアプリ/プラットフォームSDK関連のチームリーダーなどを経て株式会社サイカに取締役CTOとして参加。

サイカ辞任後紹介により株式会社KAKEHASHIの中尾氏、中川氏の両名と知り合い、ビジョンに強く共感し何もない状態から開発組織を立ち上げるためCTOとして参加。

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株式会社 カケハシ「医療をつなぎ、医療を照らす」調剤薬局向け電子薬歴システムを提供するヘルスケアベンチャー

連載:KAKEHASHI取締役CTO海老原氏に聞くスタートアップへの転職

「医療をつなぎ、医療を照らす」をミッションに掲げるKAKEHASHIでは、高潔、価値貢献、カタチにする、無知の知、変幻自在、情報対称性の6のバリューを基に採用活動を進めている。

「高潔」とは「自分に矢印を向け、易きに流れず、言行一致で信念をつらぬこう」という意味が込められている。「医療の領域にサービスを提供するという性質上、事業においてはただ数値が伸びればいいというだけでなく、それが本当にユーザーや患者さんに価値を届けられているのか、何かを改善できているのかという強い意識が求められます。個人においてもそのような姿勢を全員で維持していくために、物怖じせずに発信、提案、実践できる人材を必要としています」と海老原氏。

海老原氏は「一方で、専門領域の大きく異なるプロフェッショナルが集まる組織であるため、自身が持っていない視点や知見に対して積極的に受け入れチームとして建設的な議論ができる方。また、チームとしての成果を最大化する観点を持ち、個別最適に陥らずに自身の専門性によって何をすれば価値としての貢献をできるのか考えて、実行できる人材を求めています。一見目立たないような行為でも価値貢献の観点で拾い上げて評価していきたいと考えています」と語る。

「価値貢献」は「チームの成果にどんな価値で貢献するか?その価値が最大化されるやり方を自ら選びとろう」、「カタチにする」とは議論や批評に終わることなく、実現・実行・決断を。困難上等、やり抜くことを当たり前に」という意味が込められている。

海老原氏は「繰り返しになりますが、KAKEHASHIではきちんと自分の意見が言えて、チームの価値を上げてくれる人材を求めています。私は現在CTOの役職に就いていますが、人材のマネジメント業務がそれほど得意なわけではありません。それでもチームの成長の成長には私のポジションは必要なので、自分に負荷をかけてでもやり抜こうと思っています」と語る。

なお、これら3つを含めて6つのバリューについては、KAKEHASHIのウェブサイトの「採用情報」に掲載されている。

KAKEHASHIでは現在70名超のメンバーが在籍しており、現在の採用の状況についてはリファラルだけでなく、転職サイトなどを通じた一般の採用も増えているそうだ。KAKEHASHIへの転職を希望するのは30代半ばの人材が多いとのこと。「実際に会って話してみると、みなさん同じようなことを言います」と海老原氏。「結婚して家族ができて自分以外の健康を考えるようになった、シニアになった両親の健康が心配といった理由で、KAKEHASHIの業務内容に興味を持った人が多いです」と続ける。

海老原氏によると、「KAKEHASHIなどの社会課題を解決しにいくスタートアップでは、まずはカルチャーフィットが重要です。まだ小さい会社ですが、だからこそ相互の価値観にずれがないかも含めて知るために、採用候補者の方にはのべ8〜10名ほどのメンバーに会ってもらいます」とのこと。「スキルや実績については現場できちんと見ますが、KAKEHASHIで一緒に働いていけるかの見極めが大事」だそうだ。人材はすぐにでも欲しいところだが、このように採用に時間とコストをかけることで「社風が合わずに辞める人はほとんどいない」と海老原氏。

一般企業からスタートアップへの転職で戸惑うことが多いのが、社風や社内のシステム。特に大企業からの転職では、前職では当たり前だった社内サービスを受けられないこともあり、個人の業務範囲も広くなる。こういったギャップを入社前の面接で時間をかけて解消しているKAKEHASHI。次回は、入社後の人材育成方法、評価方法などについて聞いていく。

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