職種の異なるメンバーでスクラム開発、毎日15分のミーティングで情報共有

KAKEHASHI取締役CTO海老原氏に聞くスタートアップへの転職(3)

「CAREERS TechCrunch Japan」は、スタートアップ企業への転職を考えているユーザーに向けた特別企画。創業メンバーではなく、スタートアップに転職を経験した人物に直接取材し、転職を考えた理由から、スタートアップで働くことの意義や楽しさをじっくり聞いていく。第1回のゲストはKAKEHASHIの海老原 智氏。最終回となる今回は、KAKEHASHIの人材育成や評価、エンゲージメントについて、取締役CTOの海老原氏に引き続き話を聞いた。

連載:KAKEHASHI取締役CTO海老原氏に聞くスタートアップへの転職

海老原 智
株式会社KAKEHASHI取締役CTO

20代は凸版印刷株式会社でC++/OpenGLによる内製VR統合開発環境の実装を担当するなど、3DCG関連の開発に従事。

その後ウェブ開発に転向し、グリー株式会社にてSNS/プラットフォームのサーバーサイド開発、Android版SNSアプリ/プラットフォームSDK関連のチームリーダーなどを経て株式会社サイカに取締役CTOとして参加。

サイカ辞任後紹介により株式会社KAKEHASHIの中尾氏、中川氏の両名と知り合い、ビジョンに強く共感し何もない状態から開発組織を立ち上げるためCTOとして参加。

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KAKEHASHIは2016年3月設立のスタートアップで今年が4期目。メンバーの評価については「メンバーを増強している段階でもあり、人事評価に大きなばらつきは出ていない印象です。多少の個人差はありますが、入社時の想定通りに成果を出してもらっていて、経営陣の直接評価で判断できる規模でもありました」と海老原氏。

KAKEHASHIは第2回で紹介したように、カルチャーフィットと6つのバリューによってメンバーの採用を決めているため、入社後に大きなギャップを感じることが少ないのも人事評価に大きな差が出ない要因かもしれない。そのうえで「組織規模が拡大してきたため、評価やエンゲージメントについてはこれからさらに緻密に構築していくことになります。上下関係のないフルフラットな組織なので、工数をかけてでもメンバーにとって納得感のある評価制度にしたいと考えています」とのこと。

とはいえチームで作業をしている以上、ほかのメンバーがどのように働いているのか、進捗状況はどうなっているのかは気になるところ。KAKEHASHIではリモートワークのメンバーも多く、オフィスで勤務するメンバーとの不公平感も出てしまうはずだ。この問いに対して海老原氏は「KAKEHASHIではスクラム開発の手法を取り入れていますが、その中で強調される『透明性』が重要になると考えています」とのこと。

スクラム開発とは、最近増加しているソフトウェア開発手法。少数のメンバーでチームを組み、同じ目的に向けて協力し合いながら短期間での細かいリリース・検証・調整を繰り返し作業を進めていく。ソフトウェアの仕様などをきちんと決めスケジュールに従って開発を進めていく、従来の主流だったウォーターフォール開発とは異なる手法だ。

KAKEHASHIでは、開発、営業、カスタマーサクセス、プランナー、ディレクターなど職種の異なるメンバーで共同してサービスに関する意思決定を行うようにしている。「職能ごとのチーム構成を強化してしまうと、経営陣や営業などの指示やフィードバックを受けて、機能の改良や実装を黙々と進めるという社内受託開発になってしまう危惧があります」と海老原氏。続けて、「スクラム開発チームを結成することで、それぞれの専門分野からの意見を出し合い、合意形成してから開発を進めることができるのがスクラム開発のメリット」と語る。

「チームの会議などで視点の違いにより様々な意見が出ることもありますが、そこはディレクターの腕の見せ所。建設的な話に持って行けるようにファシリテートしています」とのこと。また「リモートワークは働き方の手段の1つなので、各メンバーが『自分にとって効率の良い方法で働いてください』と伝えています。急な体調不良や子供の送り迎えなど個人の事情はさまざまですが、会社としてはセルフマネジメントしやすい環境の提供に注力しています」とのこと。

各自の進捗については夕方に15分程度のミーティングを毎日開催し、チーム内で共有するとのこと。これもスクラム開発ではよく知られた手法だ。「オフィスで仕事をしているメンバーも、リモートで仕事をしているメンバーも、この15分のミーティングで1日の進捗を話し合う必要があるので、今日やるべき仕事の優先順位が明確に立てられますし、進捗が遅いメンバーの原因も解決しやすくなります」と海老原氏。

6つのバリューを掲げて人材採用、そしてスクラム開発によるチームビルディングを進めるKAKEHASHI。2月には大阪市中央区にある「なんばスカイオ」内のWeWorkに関西オフィスも開設し、既存顧客の満足度向上および新規顧客へのサービス導入を進めていく。

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