建設職人の職探しと報酬受け取りの問題をテクノロジーで解決する助太刀

建設業界に革命を起こすConTechスタートアップまとめ(2)

助太刀は、ConTech(建設テック)で最も根深い社会問題を解決する2017年3月設立のスタートアップ。建設現場と建設職人のマッチングサービスと工事代金の即時支払サービス「助太刀Pay」、助太刀Payで使えるVisaプリペイドカード「助太刀Payカード」などを提供している。

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助太刀の記事がTechCrunchに初めて登場したのは、設立5カ月後の2017年8月21日。当時の社名は東京ロケットで、リード投資家であるジェネシア・ベンチャーズとKLab Venture Partnersから総額5000万円を調達したという資金調達のニュースだった。このときは、現在の助太刀サービスの原型となる「助太刀くん」のリリースを9月に控えていたタイミング。同社は、建設業界の人手不足という問題を解消するため、建設職人の中でもスマホの利用者比率が高い20〜40代をメインターゲットとしてサービスを構築した。

当時の記事に掲載された助太刀(旧・東京ロケット)提供のデータ

東京ロケットは同年11月16日、17日に開催されたTechCrunch Tokyo 2017のピッチイベント「スタートアップバトル」で、書類選考113社の中からファイナリストとして選出され、初日のファーストラウンドを勝ち抜ち抜く。そして、2日目のファイナルラウンドでは、審査員特別賞やスポンサー賞など合計3つの賞を獲得するなど注目の的となった。TC Tokyo 2017の興奮が冷めやらぬなか、11月29日に「助太刀くん」のiOSアプリをリリースすることになる。

翌年2018年3月に現社名の助太刀に変更し、サービス名も「助太刀くん」から社名と同じ「助太刀」に変更。4月5日には伊藤忠テクノロジーベンチャーズやジェネシアベンチャーズなどを引受先とする第三者割当増資により5億3000万円を調達した。そして同年5月7日、建設職人のマッチングサービスである助太刀とも深くつながる画期的なサービスを始める。セブン銀行と提携して、職人が工事代金を即日受け取れるサービスを開始したのだ。このサービスが画期的だったのは、職人が銀行口座に開設する必要ない点。発行された確認番号を入力するだけで、セブン銀行のATMから現金を引き出せる。

2019年1月には、この即日受け取りサービス「助太刀Pay」を拡充する。クレディセゾンと提携して「助太刀Payカード」を発行し、工事代金をセブン銀行ATMからの現金引き出しだけでなく、助太刀Payのカードにチャージすることが可能になった。この助太刀PayカードはVISAのプリペイドカードなので、世界各国Visa加盟店で利用できる。さらに、この助太刀Payカードには、あいおいニッセイ同和損害保険が提供する傷害保険も付帯しており、傷害入院の場合は日額5000円(180日限度)。傷害手術の場合は入院中なら5万円、それ以外なら2万5000円という保障を受けられる。なお、助太刀Payに工事代金をチャージした場合、職人は7%の手数料が差し引かれる。

同年4月には新たな資金調達に成功。電動工具や園芸工具、クリーナーや高圧洗浄機などの家庭用電化製品などを製造販売する工機ホールディングス(旧・日立工機)から約1億円。農業機械・生産設備のリース・ファイナンスの取扱高が業界トップクラスの総合リース会社であるJA三井リースからも金額は非公開ながら資金を調達。投資目的色が強い従来とは異なり、助太刀のサービスの広がりが期待できる連携となった。実際に、工機ホールディングスとはユーザーデータを連携させて商品開発やサービス向上を進めていくそうだ。JA三井リースとは、同社が得意とするファイナンス系での協業が検討されている。

直近の5月には、助太刀のUI/UXをフルリニューアル。職人や現場を職種や居住地で検索可能になったほか、職人同士のメッセージ機能を強化。人手が足りない場合は、建設現場の情報を公開して応援職人を募集することもできるようになった。さらにサプスクリプションプランとして、月額1980円の「助太刀プロ」を新設。助太刀プロでは検索機能が強化されるほか、興味ありのマークを付けられる件数や新規でメッセージを送信できる件数が無制限となるといったメリットがある。

このように建設職人の仕事探しと工事代金の問題をテクノロジーの力で解消している助太刀。次々と新しいサービスを生み出している同社だが、サービスの開発は完全に社内ではなくオフショア(外注)しているとのこと。後編となる次回は、同社の経営・開発体制などについて大手企業からの転職組である、取締役COOの大塚裕太氏とVPoE(Vice President of Engineer)の高見澤大輔氏にじっくり話を聞いていく。

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